きよしおはやし

  この世の何処かの岡場所で 格子はさんで客を呼ぶ 女郎はどこからきたものぞ


  白粉つけて狐憑き 提灯掲げて太鼓持ち なじみがつけばもうけもの 苦界も渡海も金次第


  やれ吉原じゃというけれど 川越えずとも丘がある 岡目八目世の常だ


  チャンチキ チャンチキ チャンチキチ チャンチャンチキチ チャンチキチ……


  すぎゆく二人を目にとめた 左官と隠居が大声で はよにげ そこゆくおふたりさん


  お人よしにもほどがある 彼ら二人に手を振って 娘と男は旅立ちだ


  昔も今も変わらぬは 旅は道連れ世は情け 情けは人の為ならず


  甘いか苦いか猪口礼湯 どこかで食べよう猪口礼湯

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猪口礼湯秘話 古地行生 @Yukio_Fulci

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