02

 多少、面倒な仕事だった。たいして強くない狐だけど、祓いきることもできない。

 狐にいったダメージが、なぜかまったく関係のない彼女に言ってしまう。目が見えなくなる。腕が動かせなくなる。

 そして今日は、たぶん声が出ない。

 彼女がつらくならないように、時間をかけて狐を処理する。そこそこ面倒だった。

 彼女。自分が手に持っているおにぎりを器用に食べている。


「美味しい?」


 笑顔でうなずいた。

 彼女のためにも、なるべく早めに仕事を終わらせなければ。

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ちょっとした散歩 (短文詩作) 春嵐 @aiot3110

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