その後の話 sideB
「出所すればようやく2人で暮らせるね!」
甲高い女の声が刑務所内に響く。
遠くから、男の声がする。女の声に答えているのだろう。
「囚人番号564番、静粛に」
刑務官に注意されるが女はお構いなしだ。そのまま女は引きずられるようにして独房に連れて行かれた。
「看守さん聞いてぇ。私ここを出たら彼と2人でニューライフを満喫するの!」
看守は何も言わない。ただただ冷めた一瞥を投げるだけだ。
その日の夜。
「何よこれ!」
女は驚愕した。
「何よあんたたち!」
3人は何も言わない。女を睨みつけるだけだ。
こんな奴が母親とか俺たちはつくづくツいてなかったな。俺たちを虐待して殺しておいて反省の色も見られない。せいぜい
「また564番か」
看守はうんざりしながら独房へ向かう。独房では女がガタガタと震えながら奇声を発している。
「か、、看守さん。またいるの!死んだはずの3人が!助けて!」
こちらにすごい形相で訴えてくる。看守は色々な受刑者を見てきた。その中にもいた。自分が殺した相手が自分の近くに見えると言う受刑者が。この手のタイプは最終的に精神を病むことがほとんどだ。この女はたしか虐待、監禁して元夫との子供3人を死なせたのだったか。食事もまともに与えず拘束して外に出さなかったと聞いている。入所直後は全く反省している風には見えなかったから、これくらいが奴にはちょうどいいだろう。看守はやはり冷めた目で、助けを求める女を見下ろしていた。
しあわせな3兄弟 たまごがゆ @taikanyowai
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