その後の話 sideA

ピー。

けたたましい音が鳴り響く。それは気づくと三重奏を奏でていた。

「ご臨終です」

医師の言葉に身体中から力が抜ける。床に座り込んだ。

「できる限りの手は尽くしましたが…」

私は首を振る。

「最期まで手を尽くしてくださって、ありがとうございました」

震える声で、相手に届いているかもわからないが、頭を下げた。横たわる3人は皆痩せ細ってあちこちに痛々しい傷がある。しかし皆穏やかな顔だ。やはりあの女に親権を渡さなければよかった…。今更後悔しても遅い。3人は戻ってこない。不倫した奴に親権を渡すなんて間違っている。そんなの、私もわかっていた。きっと子供が酷い扱いをされるのも、どことなくわかっていた。けれど、止められなかった。男1人で3人を育てるなんて、考えると余計何も言えなかった。

「本当に、すまなかった…」

病院にはすすり泣き謝罪する男の声が冷たく響いていた。



父さん。俺たちはあなたに感謝してる。真っ先に異変に気付いて通報してくれたのも父さんだった。もっとたくさん話したかった。じゃあな。

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