第9話

おじさんは、目を見開いた。

そして、嬉しそうな表情をする。


「君、他の子違うだね。性格も、超能力の種類も。」

超能力の種類? 性格? 違う?


まあ、よくわからないけど、褒められたし、とりあえず「ありがとうございます」と言った。


その後、知らない人たち何人かと、あいが駆け寄ってきた。


「冬木!」

あいが叫びながら、走ってきた。


飛び跳ねて、私を強く抱きしめる。

「大丈夫?怪我してない?」

「うん」

「帰ろう」

「そうだね。結構夜だし」

私は、そういうと、あいがニコッとした。

そして、帰り道へと歩いた。


その途中で、掃除のおじさんと、背が高いヒーローが喋っていた。


「なんか、急に爆発してん。で、なんかよく見えへんかったけど、誰かがわしとあの子を助けてくれたんだ。」

おじさんは、私の方に指を指す。


「私そこで待ってるね!」

あいがそういって、先行った。


「おう、そうだったですか?えっと。。。春山さん?」

ヒーローが私にきく。そして、その後ろで、おじさんがウィンクをした気がする。


「あ、はい!私。。。目をつぶってて見れませんでした。」


「そうか」

と言って去っていく。

それから、誰もいないのを確認し、口を開いた。


「言わなくて、ありがとうございます!」

「いいえ、いいえ!感謝せんとあかんのは、わしだ」

そう言ってポケットから、紙を出す。

「これ、わしの電話番号。何かあったらいつもでも電話してね」

「あ、はい!」

私は、その紙を受け取る。


私は、背を向けて、歩いた。


そして、気になったことを思い出して言ってみた。


「すみません。超能力の種類ってなんですか。」


おじさんがニコッとして、答える。


「2種類あるのよ。一つは、一番多いパターン、何かの現象でもらう超能力」

あいが、言ってた星が降った日のことかな。


「もう一つは、世界に、あなたを入れて、3人しかいないほど珍しい。。。」


「待って、なんで私がそこ入るのわかるですか。何が違うですか。」


「体力だよ。体力。あんたな、あの重たいヤツを20分も耐えたのに疲れた顔すらないぞ。」


あれで20分?っていうか彼の言う通り、疲れてない。


「一つ目のパターンだったらあんた10分しか持たないぞ。」

「そ、そんな」

「あんなに耐えたあんたの超能力は、もう一つのパターンしか考えられないぞ。」


「冬木行こーう!」

と、あいが近づいてくる。


「ちょっと待って!」

これ聞かれたらまずい。


おじさんが秘密を言うように、私に近づく。

そして、低い声で言われた一言で私が目を開く。

「親から引き繋がった超能力。」





「「遺伝子だよ。」」






その言葉は、あいと一緒に帰ってる時ずっと頭の中で繰り返した。


つまり、お母さんかお父さんかのどれか超能力あるってこと。


電気をコントロールできるということ。


「冬木、大丈夫?」

あいは、私の顔を覗く。

「あ、うん。ただ、考えてただけ。。。」

「そうか。っていうか、助けてもらった人の顔見た?」

あいには、私の超能力のことを知ったら、きっとヒーローになってよ的なこと言うだろう。


だから、秘密にする。

「ううん、目を瞑ってたから見れなかった。。。」


あいはほっぺたを膨らむ。

「何してんのよ。冬木!イケメンだったかもしれないじゃん!」


あいの声が響いて、広がって消えた。


しばらく続く沈黙。



その後、私たちは同時に、笑いだした。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ちなみに、私たち無事に帰ったのは、深夜の1時でした。もちろん、怒られました!


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ヒーローが友達 ライチ @laizavic03

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ