落語 Web小説

落語 Web小説

　えー、秋風亭流暢（しゅうふうていりゅうちょう）と申します。一席お付き合いを願いますが、ここでいつもの小話を一つ。

　梅雨（つゆ）も明けて、夏本番だな。

　そうなのよ。でも、そうめんはつゆ要りよ。めんつゆだけに。

　うまいね、どうも。これがホントの露（つゆ）知らずだ。

　と、ま、師匠の新潮（しんちょう）が書いた小話なんですがね。ったく、毎回、ワンパターンだな。

「犬が倒れたのよっ！」

　ちょっと、師匠。袖（そで）から横槍（よこやり）を入れねぇでくだせぇよ！

「ワン・パタン！　なんちゃってなーっ！」

　師匠、静かにっ！　お客さんにウケてるじゃねぇですか。ったくね。最近、師匠の出番がねぇもんですから、寂しさからか、嫌がらせからか、おいらの高座にまで顔を出しやがる。ったく、困ったもんでして。

　えー、本日の演目は『Web小説』でして。ありゃあ、おもしれぇや。ご存じねぇですか？　スマホやパソコンで小説を読んだり、書いたりできるサイトなんですがね。

　おいらもファンになってる作家さんが何人かおりますが、サイトを使ってると色んなことが見えてくる。そこで、気づいたことをいくつか述べさせてもらいましょう。

　その１　読み専さんへ

　読んでもらった上にレビューや星までもらうと嬉しいもんだ。お礼を言いたくてペンネームをタップするってぇと、小説も近況ノートも書いてねぇ。これじゃ感謝の気持も伝えられねぇ。せめて、近況ノートだけでも書いてほしいやなぁ。

　その２　いつの間にか退会

　これまで星やコメントをくれてた人からの足跡がピタッとなくなったんで不思議に思ってペンネームを検索するってぇと、ユーザー名はおろかもらったレビューも消えてた。その上、おいらがフォローしていたその人の作品まで消えちまってた。寂しかったね。人それぞれ諸事情（しょじじょう）はあるだろうが、突然の退会は寂しいもんだ。

　その３　自主企画は重宝（ちょうほう）

　ジャンル別の募集や本棚を開設できる自主企画は重宝だ。読んでほしい人の読みたいジャンルの小説がすぐに探せるし、募集している大賞にも参加できる。たくさん書いてる作家さんは、埋もれた古い作品で参加すれば読んでもらえるきっかけもできる。思いがけないレビューやコメントをもらうこともあるだろう。

　その４　運営への要望

　近況ノートに画像をアップできるようになったのは嬉しいが、小説だけではなく、写真やイラストのカテゴリも追加してほしいもんだ。そしたら、有名人の似顔絵なんか投稿しちゃったりして。

　流暢さん。このキレイな人、誰？

　なんてコメントもらったら、

　きみをイメージしたんだよ。

　なんて返信したりして。クッ。

　何を隠そう、実はおいらも投稿してましてね。ペンネームは言えねぇから流暢にしとくが、文才はないんで、何時に起きて何食ったとか、日誌風のもんを書いてましてね。

　朝食は豆腐の味噌汁と卵焼きを作ったが、卵焼きがうまくできなくて時間がかかった。

　なんて書くと、

　流暢さ～ん、卵焼きより目玉焼きのほうが簡単よ～。

　なんてコメントをもらう。嬉しいじゃねぇか。な？　楽しいのが一番だ。どんな人かとペンネームをタップしてみるってぇと、自己紹介に、“19歳、大学生”ってあるじゃねぇか。

　ウヒョ！　19歳だと。

　思わず声が出ちまって、にんまりだ。19歳の恋人とメールしてるみてぇでウキウキしちゃうね。こんな出会いがあるからWeb小説は楽しいのよ。

【Web小説 wave（なみ）じゃねぇよ メガ盛りよ】

　お後がよろしいようで。

■□■□幕□■□■