月が沈む前に
「よっし!そうと決まったら早速準備だね〜!」
「なんで私が行くって決めた瞬間ノリノリなんですか....。」
「えー?なんか一人より人数多い方が楽しくない?」
そんなことを言うルナさんに少しだけ腹が立った。次にルナさんが私の部屋に来る時には、Gのおもちゃでも仕込んでおいてやろうか。と思う。と言っても、その【次】がいつ来るのかは、分からないけれど。
そんな事を考えている間にもルナさんは、楽しそうに準備を続けている。
「さ、できたよ〜。月が落ちるまであと少ししかない。急ごう。」
そう私に声をかけてルナさんは猫に変身する。
「わかりました。」
私はほうきを持って、部屋の窓の前に立って、呪文を唱える。
「
魔女の帽子に薄紫のワンピース。よく女の子向けのアニメに出てきそうなフリフリの洋服で、こんな姿を見られてしまったら今日の朝から恥ずかしすぎて外を歩けなくなりそうな格好だ。
✱✱✱
『よし、着いたね...。』
「あの、ここからどうするんですか?」
『えっとねー、とりあえず一発ぶち込んで一気に外に引きずり出す!それで、完全に朝日が昇る前に浄化する。』
「やっぱり最初は力技じゃないですか...。」
『だから最後の浄化のところは任せたよ。』なんて言うルナさん。そんな大事なところを私がやってしまって大丈夫なんだろうか。
『おっ、
下を見ると、たくさんの黒いモヤがモクモクと私たちの方へ向かってきている。
「えっ、気づくのはやっ!?」
『ラッキー!一発打つ手間が省けるよ、やったね!』
そんなことを言いながら、ルナさんはなんだか楽しそうに黒いモヤモヤから逃げ回っている。
「って....何遊んでるんですか?!早く浄化しないと!!」
『えーいっ、しつこいっ!【スターボム】うりゃ!』
ルナさんの魔法で
やるしか、ないか。
『この隙に浄化するしかないかも。チャンスは....今からだと一回くらいしかないかな。』
ルナさんの魔法で小さく散らばった
これ以上、さらわれる人がでないように。私はそんなことを思いながら、
「【サニーライト】....。」
私が呪文をとると、
『やった!ギリギリセーフ!倒せたよサヤカ!』
ルナさんは猫の姿のまま、私に擦り寄る。
「すっごい眠いです。」
『そりゃーねぇ..あれだけでかいの一気に浄化したんだもの。そりゃ眠くなるよ。』
「部屋に帰ったら寝ます。」
『うん、お疲れ様。』
そんなことを話しながら、丘から見た朝日はとても綺麗だった。
月猫 七瀬モカᕱ⑅ᕱ @CloveR072
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