第158話 加山都知事のぬか喜び
「きぃーーー! 私は選挙に強くて有名だったのよ! よくも私に恥をかかせてくれたわね!」
「僅差とはいえ、最終的には勝てたのですから、これから政策面で挽回すればよろしいかと」
「あんな小娘に、この私が三百票差でようやく当選できたなんて! これも選挙スタッフたちが無能だからよ!」
「……」
年を取ったせいか、加山都知事は気が短くなり、怒りやすくなったと思う。
先週、都知事の任期満了に伴う選挙があったのだが、最初は加山都知事も、私を除くスタッフたちも余裕で勝てると思っていた。
なぜなら与党分裂を嫌って、田中総理が加山都知事に対する刺客を送らなかったからだ。
残りの候補者も、落ち目の野党は結局候補者を一本化できずに共倒れ。
他は泡沫候補や、半ば宣伝目的で出馬している人ばかり。
東京都知事選ではそんな候補者が多いから、数だけは集まるのが定番だ。
だからそこの油断だったのだが、私は一人の候補者に注目していた。
その候補者は若い女性だったが、その経歴はなかなかのもので、演説などを聞いているとしっかりと政治を勉強しているのがわかった。
加山都知事は小娘とバカにしていたが、少なくとも加山都知事よりは政治的な知識は豊富だった。
ベテラン政治家である加山都知事の政治知識が微妙なのは公然の秘密というか、どうせ彼女に投票するような有権者は評価しない部分なので、だから加山都知事の政治家歴は長いわけだ。
そしていざ選挙戦が始まってみると、加山都知事の苦戦がニュースになるほどだった。
桜 美緒(さくら みお)候補が演説をすると、多くの聴衆が集まるのだ。
まだ三十歳と若く、過去には芸能事務所やモデル事務所にスカウトされたことがあり、ハーバード大学卒業で頭の回転も早く、人気が出て当然というか。
そんな彼女の若さと美しさを利用した選挙戦に加山都知事は不満なようだが、自分も過去に同じような手法で政治家になったのだから、そこに文句を言っても仕方がないと思う。
違法ではないし、少なくとも加山都知事よりはちゃんと政治を勉強しているのが、誰にでもわかるのだから。
これまで加山都知事最優先だったマスコミも、若く美しい桜候補の映像を流すことが多くなった。
そのことでも加山都知事は怒っているが、桜候補だって見た目とマスコミウケだけのまま年を取れば、加山都知事の二の舞なんだ。
それよりもベテランなんだから、少しはちゃんと政治をやって有権者からの支持を……加山都知事には無理か。
選挙戦の途中で、マスコミが発表する支持率が桜候補に抜かれる度にスタッフたちから悲鳴が漏れ、『もしやこのまま負けるのでは?』などという悲観論が広がるなか、開票が始まった。
なかなか当選確定が出ず、なんと当選者が判明したのは明け方近くだった。
東京都知事戦としては史上初の接戦を制したのは……加山都知事だった。
だが、彼女の表情は冴えない。
なぜなら、彼女の最終目標は総理大臣になることだからだ。
それが、その前哨戦である都知事戦での苦戦。
これで、加山都知事の総理大臣の夢はほぼ消えた。
ニュースも当選した加山都知事よりも、業界団体の支持はなく、完全に無所属にも関わらず、加山都知事に三百票差まで善戦した桜候補の話題ばかり。
これでは、次の選挙では確実に加山都知事の負けだろう。
桜候補も、次の都知事戦にも出馬しますと宣言しているのだから。
「田中の野郎! 水面下で桜候補に接触したわ! 次の選挙であの女は私への刺客になる!」
となると、余計に加山都知事に勝ち目はないか。
次の都知事選に出馬しないで、政治家を引退するのが一番ダメージが小さいかも。
もしくは再び国政に戻るか。
だが、次の都知事選に勝てないから国政に戻るでは、ただの無所属の一議員でしかなくなる。
なんなら、その選挙にも落選して恥を広げてしまう危険もあるのだから。
「(今から加山都知事が真面目に政治家として働いても……辛いよなぁ)」
もはや老人である加山都知事には難しいだろう。
となると、彼女は今期で終わりということになる。
実際ワイドショーやネットでは、『こんな結果になるのなら、ちゃんと選挙に行っておけばよかった!』、『また人気取りしかしない加山が当選かよ!』、『もう人気取りもできてないし。投票率が過去最低で、加山は一応与党だから団体票が入っただけ』、『加山になんて入れてる情弱乙!』、『俺は加山になんて入れねえ!』などなど。
さらに当選直後に加山都知事の支持率を調査したら過去最低で、加山都知事は当選したばかりなのにもう終わった人という扱いだ。
懇ろだったマスコミとの関係も怪しくなってきた。
「こうなったら、バカな有権者たちが喜びそうな政策を提言し続けるしかないわ!」
「……」
バカな有権者が喜びそうな政策かぁ。
しかも、それを提言すると言っている。
つまり、これまでとなにも変わらないわけだ。
マスコミの前でウケそうなことを言うだけ。
提言はするが、実行するとは言っていないのが、加山都知事最大の特徴だ。
もっともこういう政治家は一定数いて、そういう政治家を煽動政治家というのだけど。
「(その程度だと弱いだろうな)」
「なんとしてでも私への支持を復活させて、国政に打って出るのよ! そして、史上初の女性総理大臣になる!」
とは言うものの、特に具体策があるわけでもなく、加山都知事はどうするのだろうか?
「私の姪が独身だから、古谷良二と結婚させるわ! そのあと、古谷良二の拠点を東京に移させて、そうすれば……」
「……」
そんなこと、無理に決まっている!
そもそもあんたは、古谷良二を嫌っていたじゃないか!
さらに言うなら向こうもあんたを嫌ってるから、古谷良二があんたの姪と結婚なんてするはずがない。
「(追い詰められて、そんなこともわからなくなったのか?)」
もう一期あるのだから、今度こそ真面目に都政に取り組めば……いや、この人には無理か……。
それができていたら、ここまで追い込まれるはずがないのだから。
東京都知事に当選したのに追い込まれるというのも変だが、これが政治の摩訶不思議ってやつだ。
「(最悪なのは、僅差でも加山都知事が当選してしまったことだな。東京都民には不幸なことだ……)」
とはいえ、加山都知事を選んだのは東京都民だ。
その責任は東京都民にある。
それが民主主義ってものじゃないか。
「(この世の中の流れが早い時期に、なんて不幸なんだ! もう駄目だな)先生、よろしいでしょうか?」
「なによ急に?」
「年を取り私は疲れました。公設秘書を降りさせていただきます。勿論、引き継ぎなどはしっかりとさせていただきますので」
「……そう、ご苦労だったわね」
期待はしていなかったが、引き止めはナシか……。
そりゃあ、あれだけ直言すればな。
逆に言えば、私も未練を残さず辞められるということだ。
「後任は、私設秘書の早川でいいですか?」
「いえ、今回の選挙で私を応援してくれた陣内に頼むわ」
「陣内ですか?」
あの見栄えだけはいい若者か。
できもしない綺麗事を言うのが大好きで、加山都知事とは似た者同士で気が合うのかもしれない。
「では、陣内に引き継ぎをします」
「頼むわよ」
辞める私にはもう興味はないか。
怒鳴られるよりはいいが、多少の寂寥感を感じなくもない。
だが、私は確信していた。
今逃げ出さないと、私も加山都知事の破滅に巻き込まれることになる。
彼女が都知事の任期をまっとうできるかわからないが、東京は悲惨なことになるだろう。
これは長年、様々な政治家の秘書を勤めてきた私の勘だが、間違いなくそうなると確信している。
「(妻に相談して、東京から引っ越そう)」
これから訪れるであろう、嵐に巻き込まれないように。
「ねえ、陣内。都民にウケがよくて、すぐに支持率が上がる政策ってなにかしら?」
「そうですねぇ。やっぱり物価対策でしょう。所得もなかなか上がらない世の中なので、物価が安ければ都民は都知事を支持しますよ」
陣内は、前任者の太田に比べるといいわね。
決して私の意見を否定せず、有効な策を打ち出してくれるのだから。
「具体的にどうするの?」
「企業の生産性を上げ、コストを下げることです。ただ値引きさせるとデフレになるので、企業の生産性を上げることが重要ですね。ゴーレム、AI、ロボットの導入に都が補助金を出して、余剰人員を他の人手不足な企業に回す。転職者を受け入れる企業に補助金を出すんです」
「いいアイデアじゃない。早速やらせましょう」
「ゴーレムですが、ようやくイワキ工業と古谷企画以外のメーカーも製造、設置や保守管理を始めたそうですから」
「ゴーレムが増えて失業者が出ても、人手不足の業界に転職させばいい。いいアイデアね」
私は陣内のアドバイスを受け入れ、都内の企業へのゴーレムとAI導入を積極的に進めた。
「AIとゴーレム、ロボットのおかげで企業の生産性が上がってコストが下がり、このところ問題になっていた物価高を退治することに成功しました!」
懇意のマスコミにリークしたら、すぐに私の政策を称賛してくれたわ。
日本人は値上げが大嫌いだから、それを阻止すれば支持率が上がっても当然というもの。
「あっそうそう。都職員のリストラも進んでる?」
「はい、AIとゴーレム、ロボットの導入のおかげで、職員は大幅に減らしたのに、仕事は早く正確に進んでいます。東京都が人件費を大幅に削ったという報道で、都知事の支持率は爆上りですよ」
有権者は、役所の無駄遣いを嫌う。
だから税金の無駄遣いを正しましたと言えば、すぐに支持率が上がる。
これで懸案だった、水道、光熱費の値下げができるわね。
「これで都民たちは、ますます都知事を支持すること間違いなしですよ」
「民間でも、大量のゴーレムとAIが大量導入されるから、ますます物価安くなって、私への支持は上がるはずよ」
「そうなれば、ますます支持率が上りますね。よっ! 将来の総理大臣!」
文句ばかりの太田じゃなくて、若い陣内を公設秘書に任じてよかったわ。
働きも悪くないし、これならそのうち彼も国家議員に…いや、いえ、私の後継者にしてといいと思ったほどなのだから。
「社長、オラ全然忙しいけど、全然疲れてないから安心してくれ」
「お前はゴーレムだからな。定期的なメンテナンスさえやっていれば、休まなくても疲れないんだから有利だよなぁ。それにしても、これだけの数のゴーレムの重要部品セットをくれって……」
「東京都がAIとゴーレム、ロボットの導入に補助金を出すそうで、東京都で活動する多くの大企業でゴーレムのガワは作り始めていたから。それに合わせてオラもゴーレムの重要部品の生産体制を増強して、全ゴーレムの稼働データを収集するデータリンクシステムも強化したから」
「そんな急に、大量のゴーレムを導入して大丈夫かな?」
「人手不足の業界からも、加山都知事は陳情されたそうです。注文は全部受けますし、ゴーレムの保守点検や修理でも儲かりますし、ゴーレムの行動データが大量に手に入れられて研究も進みます。いいことだらけだとオラは思う」
「まあいいけど……」
俺が大嫌いな加山都知事だが、最近大人気だった。
その理由は、東京都がゴーレムとAI、ロボットを導入する企業に補助金を出し、それにより失業する人が転職するための支援を手厚くし、しかも珍しく都庁が大リストラを始めたからだ。
それによって浮いたお金で水道代や光熱費を下げることにも成功し、都庁に行くと多数のゴーレムとロボットが配置されているのも珍しくなくなった。
都内の企業、店舗、建設、工事現場、病院、介護施設。
様々な場所でゴーレムとロボットが活躍し、企業もコストが下がったので商品やサービスを値下げしたので、加山都知事の人気ぶりは凄い。
ネットでは、『ついに覚醒したか!』なんて失礼なことを言われているほどだ。
「ただ、この支持率もいつまで続くかな。政治って早すぎもよくないから」
「そうなんですか?」
ただ飯能総区長は、今の高支持率が長続きするとは思っていないようだ。
「いまだベーシックインカムなどの、大失業時代に備えた社会保障が整備されていないのに、東京都が多額の補助金をバラ撒いてまでゴーレムとAIを一気に普及させてしまったからね。実は政府は、このまま放置すると来年には失業率が30パーセントを超えるという予測を出して、慌てて雇用調整の補助金を出すことに決めたんだよ。そうしなければ、会社が余剰の人員を一気に放出してしまい、失業者が増えるだけだ。実際、アメリカなんかはそうなっている」
「そうなの?」
「事実ね。アメリカの企業経営者ってドライだから、人がいらなければすぐに切ってしまうもの」
「イギリスもそうですわ」
「香港も中国も同じだね」
リンダ、イザベラ、ホンファが、飯能総区長の言っていることは事実だと教えてくれた。
調べてみると、イワキ工業と古谷企画がゴーレムの重要部品の生産量を上げ、データリンクシステムのキャパを急激に増大させたため、恐ろしい勢いで世界中に普及しつつあった。
世界の名だたる大企業が、ゴーレムのガワの生産、レンタル・保守管理業務に集中するようになった。
おかげで売り上げも利益も大幅に上がっているが、やはり人間の従業員をそれほど必要としないので急激に人員削減が進み、他国は失業手当の支給拡大で対応していた。
「日本は雇用維持のため、企業に雇用助成金を出し、他国は失業手当の支給金額を増やし、給付期間の延長と職業訓練。どっちがいいんだろう?」
「どっちとも言えないかな。日本の場合、結局補助金の支給が終わればリストラされてしまうし、なにより余剰に人員を抱え込んでいたら会社が倒産してしまうからね。まさか、潰れる会社にしがみつくわけにいかない。しがみついても給料が出なくなってしまうのだから」
飯能総区長としても、この問題の完全な解決策はないと思っているようだ」
「となると、失業手当の支給延長で職業訓練を施す他国の方がいいんですか?」
「それもどうかな? 以前から、将来ロボットとAIの普及で人間がするべき多くの仕事が消えると言われていて、それがゴーレムのおかげで早まった感があるから、いくら職業訓練をしても新しい仕事が見つからないなんてこともあり得る。実は他国は、なにをどうしても職を得られない人が増えることを予想していて、失業手当の延長や給付金つきの職業訓練は、ベーシックインカム支給までの時間稼ぎと見ているようだ。生活保護や児童手当の増額なんかも始めるそうだから」
「なるようにしかならないって感じですね」
どうせこんな世の中になったのは、冒険者のせいだって言われるんだろうけど。
「加山都知事がそんな勢力を糾合する可能性は高い。だから警戒はしている」
「今は絶好調なのでは?」
「イザベラさん、あくまでも『今は』支持率が高いだ。私の予想だと今がピークで、これから下がるよ」
「下がるのですか? 長い目で見てどうかと思いまずけど、加山都知事の政策は都民にウケていると思いますが……」
「確かに物価は下がったし、水道代や光熱費も安くなって、公務員を減らして人件費を削減、他の予算も削って東京都の財政を大幅な黒字にしたけど、これから大変だよ」
失業者が増えても、それを吸収できる仕事が少ない。
なぜなら、ゴーレム、ロボット、AIでもできる仕事が大半だからだ。
成長産業であるゴーレム、ロボット、AI関連の仕事だって、ゴーレム、ロボット、AIで代替できるのだから、企業は人を減らすばかりで新たに人を雇わなくなる。
「人間だけにしか、特にその人しかできない仕事は高給になるけど、世間の大半の人たちはそんな仕事をできないから、失業者は増えるだろうね。そうなると、ゴーレムを作って大儲けしている大企業と癒着している……実際、加山都知事はゴーレム関連の仕事をうちや古谷企画から委託されている大企業から献金を貰っている。すぐに標的とされそうだ」
多くの都民の職を奪った都知事だと批判され、支持率は落ちる一方となる未来が予想された。
「誰が都知事や政治家をしてもイバラの道だけど、人気取りに終始している加山都知事のような政治家にとっては地獄だろうね。だから彼女は、支持率が下がったら我々冒険者を敵視するようになる。そだから注意が必要なのさ。実際、上野公園ダンジョン特区のみならず冒険者特区の税収は過去最高で、さらなる減税ができるだろうから、余計に」
『冒険者特区ばかりズルい!』。
という世論を、加山都知事が利用して自分の立身出世に繋げるのか……。
「冒険者特区は、失業の影響はないですからね。それに、イワキ工業と古谷企画の税収もあるので」
元々冒険者の仕事をゴーレムに代替させるのは難しく、イワキ工業と古谷企画は加山都知事のおかげで売り上げと利益を恐ろしい勢いで伸ばしていた。
イワキ工業と古谷企画だけで世間にゴーレムを普及させるのは難しいから、ゴーレム重要備品のみを他の企業に売却し、ゴーレムの製造、レンタル・保守点検を任せるようになったのだ。
おかげで、両社の売り上げが劇的に増えている。
「実はこうすることで、人間の職を奪うゴーレムに批判的な人たちの注目を、大企業に向けさせたってのもあるけど」
これは、飯能総区長の策だそうだ。
なにより全部自分たちの会社でやると、需要増に対応できないのもあった。
古谷企画とイワキ工業のみが作れるゴーレムの重要部品のみの製造に集中した結果、日本のみならず世界中に高性能なゴーレムが短期間で普及したのだから。
そして、世界中のゴーレムたちから送られる稼働データはすべてイワキ工業と古谷企画が持つデータセンタ―に集まり、ゴーレムの動きは恐ろしい勢いで学習し、人間に近づいていた。
「売り上げの多くを業務委託した企業に持っていかれますけど、重要部品とゴーレムの稼働データを握っているのと、コストがかからないので利益自体は大幅に増えましたからね。岩城会長とプロト1社長はよく考えますよ」
「だからプロト1に任せておけるんです」
俺は、モンスター討伐と動画撮影に集中できるわけだ。
「冒険者特区はいいんですけど、来年の東京都はどうなるんだろう?」
「失業手当の給付が最大五年間に延長なり、職業訓練の拡大も進んでいるけど、残念ながら二度と職に就けない人は増えるだろうね。この間に、日本もベーシックインカムの導入を図る予定だよ。田中総理からはそう聞いている」
「失業者は減らせないんですね」
「減らせないね。厚生労働省が将来の就業率を予想したデータを作ったら、その結果で省内が大混乱に陥ったそうだ。当然マスコミには言えない。これからの日本は働かなくても生活できる世の中になっていくけど、それに無職になる多くの人たちが耐えられるかどうか。人間の心ほどよくわからないものはないのだから」
飯能総区長をして、将来を読めないというわけか。
さすがに俺も、このことを動画で伝える勇気は俺にもなく、ただ徐々に日本の失業率は上がり、特に東京ではその戦犯として、都で補助金まで出してゴーレム、AI、ロボットを大量導入し、公務員を減らした加山都知事への批判が強まっていった。
「せっかく上がった支持率がぁーーー! 陣内、これはどういうことなのよ?」
「ええと……公務員を増やしましょうか?」
「そんなことをしたら、また支持率が下がっちゃうじゃないの! これもすべて冒険者が悪いのよ!」
すぐに支持率が下がってしまった加山都知事は、さらに冒険者を恨むようになる。
そして東京都のみならず、日本のみならず、世界中の失業率が仕事不足により急速に上がりつつあった。
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