第153話 運手免許と空飛ぶ車 

「大学に入学するまでに車の免許を取りに行こうと思う」


「リョジウさん、私もご一緒してよろしいでしょうか?」


「イザベラって、運転免許証を持ってなかったんだ。確かにイギリスって、十七歳で運転免許を取れたような記憶が……」


「ずっと日本にいましたので」


「私もよ。アメリカだと十六歳で運転免許を取れるけど、留学してからずっと日本にいたから、まだ運転免許を持っていないの」


「中国もそうだけど、アジアの国では車の運転免許は十八歳からって国が大半だよね」


「そうですね。自分で車を運転するかどうかわかりませんが、身分証明書代わりに持っておくのも悪くないでしょう」


「冬美はもう自動車学校に通ってるぜ。大学に通学するのに使うんだってさ。俺もせっかく冒険者として稼いでいるから、新しい車を買いたいしなぁ。車でデートするのも悪くないし、良二もそう思わないか?」


「すでにアナザーテラで、 メカドラゴンにイザベラたちを乗せてドライブをしているけど」


「車でデートってのも、大分様子が違っていて面白いぞ」


「剛にそう言われると、車が欲しくなってきたな」




 高校卒業前に運転免許を取ることにした。

 俺が車を購入するかどうかまだわからないけど、十八歳になって成人扱いなのだから、身分証明書代わりに運転免許証を……『マイナンバーカードでもいいのでは?』と思わなくもないけど、剛も婚約者である冬美さんと自動車学校に通っているそうなので、俺たちもそうすることにした。

 都内の自動車学校に通うと色々と問題があるので、俺たちは上野公園ダンジョン特区内に完成した自動車学校に通う。

 ここもイワキ工業が経営しているので撮影許可が出て、俺たちは自動車教習所に通う様子を動画で投稿するようになった。


『教習は順調に進んでいます。順調過ぎるかも』


 レベルアップしてステータスが大幅に上がっているため、冒険者は順調に教習が進むケースが多かった。

 性格の問題があって、運転技術はあっても教官と揉めて躓く人もいたけど。

 言われたとおり車を動かせばいいし、それは高いステータスのおかげでまったく難しくない。

 それなのに教官と喧嘩している冒険者がいて、こういう人ってそういう性格だから仕方がないのかね?

 

「やっぱり、免許を取ったら一台くらいは車を買おう。確かイザベラはもう車を持っていたよね?」


 前に俺を乗せてくれた、ロールスロイス。

 俺もあのぐらいのグレードの車を買った方がいいのだろうか?


「あの車ですと大きすぎますし、実は会社が所有しているので、正確には私のものではないのです。だから自分用には、もう少し使いやすい車を買おうと思っています。そういう目的でしたら、日本車の方がいいでしょうね」


「ふうん。ホンファは?」


「ボク? どうしようかなと思ってて。普段車なんて使わないからね。ボクの会社の数少ない従業員が使っている社用車ぐらいしかないよ。そういう車は、日本車がコスパがよくて最高だよね。どうせお金を使うなら、自分しか持っていない特注の車を注文するとか?」


「そういう手もあるか。綾乃は?」


「両親が乗っているベンツは若い女性に合わないので、小型のスポーツカーでも買おうかなと。リョウジさん、無事で免許が取れたら二人きりでデートなど」


「あああーーーっ! アヤノずるい!」


「そうよ! 私も必ず車を買うし、一番初めにリョウジを助手席に乗せてあげるから」


「ボクもリョウジ君とデートしたい」


 そんな話をしながらも教習は無事に進んでいき、俺たちは最短で車の免許を取ることに成功した。

 移動手段でいえば、俺は飛べるし、アナザーテラではメカドラゴンや、空中都市フルヤにある円盤型飛行機に乗ればいいんだけど、日本で勝手に乗り回すと問題になってしまうので、やっぱり車は買わないとな。






「……では、古谷良二及びダンジョンの女神たち。そして剣剛に、我が社の車を購入してもらうための会議を始めます!」


「うむ、始めてくれ」


 社長が深く頷くのと同時に、特別開催された会議が始まった。

 その議題は、どうやって古谷良二たちに我が社の車を買わせるかだ。

 以前我が社は、ダンジョン出現によって倒産の危機に見舞われた。

 この世界から石油が消えてしまい、我が社の主力商品であったガソリン車がまったく売れなくなってしまったからだ。

 当然我が社もEV車の開発と製造も行ってはいたが、まだまだ売り上げからいえば大した比率でもなく、それでも化石燃料がなくなってしまったので将来有望だと思われたが、一つ大きな問題が発生した。

 EV車を動かす電力のかなりの割合を、化石燃料を燃やす火力発電に頼っていたことだ。

 電気がなくて動かせないEV車など売れず、そもそも電力がなければEV車も作れない。

 車の製造工場では、大量の電気を使うからだ。

 化石燃料がなくなったので電力で動くEV車にシフトしようとしたら、電力が不足していて動かせないし、製造もできない。

 これは、大手自動車メーカーである我が社でも潰れるかもしれないと覚悟したが、その後、魔石を材料にした魔液を用いればガソリンエンジン車でも動くことが判明し、燃費のいい車を作っていた我が社は命拾いすることができた。

 魔液を燃料にすると燃費がガソリンの数十分の一になってしまうが、それでも我が社の車は燃費のよさが売りなので、他国の車よりも人気になって助かった。

 ただ、車の製造で使うエネルギーを確保できないので、なかなか生産量を増やせなかったのを思い出す。

 だがそのうち、ガソリンタンクとエンジンの主要部品にミスリルメッキをすることで燃費をガソリン車よりも良くすることに成功し、優れたエンジン技術を持つ我が社の経営は上向くまでに至った。

 魔液というものは非常に便利なもので、燃やしても水しか排出しないから環境にもよく、環境保護団体のウケもよかった。

 こんな時に環境云々言っている場合ではないと思うのだが、彼らは相変わらで、だが彼らの妨害がないのはありがたい。

 魔石はダンジョンでモンスターを倒さないと手に入らず……地上に出たハグレモンスターは例外としてだ……冒険者が命がけで採取しているから、どうしても冒険者に犠牲者が出てしまうけど。

 ミスリルメッキ技術はイワキ工業の独占状態にあったが、同じ国の企業なので仕事を優先してくれるものあり、我が社は好景気なのもあって順調に売り上げと利益を伸ばしている。

 このところ、自動運転技術の研究と実験も、田中内閣の肝入りで多額の予算が投入されて進んでおり、地方の交通インフラをこちらに変更する話もあって、我が社は大忙しであった。

 だが、またいつ経営危機が訪れるかもしれない。

 普段の努力を怠るわけにいかず、このところ商品を販売するのにSNSによる宣伝は重要なので、その対策を検討する会議が開かれているわけだ。

 今日の議題は、世界一のインフルエンサーである古谷良二を用いた我が社の車の宣伝方法についてであった。

 若い社員が教えてくれたのだけど、古谷良二が十八歳になり、運転免許を取るために教習所に通っている動画を流していたそうだ。


「古谷良二が我が社の車を購入してくれたら、いい宣伝になりますよ。世界中に『新車を買いました』という動画が流れるのですから」


「それなら、彼が望む我が社の車をプレゼントしてしまえばいいのでは?」


「ところが彼は、企業案件は一切受けていませんし、その手のプレゼントも断ってしまうそうです」


「そうなのか……」


 有名人やインフルエンサーに新車をプレゼントしてしまうというのは割とよくある宣伝方法なのだが、その手は使えないのか。

 考えてみたら、彼は世界でも有数の大金持ちであり、欲しい車は自分で買えてしまう。

 プレゼントするとはいっても、我が社の車が欲しいという保証もなく、この方法は難しそうだ。

 そもそも彼に直接アクセスするのが難しく、実は古谷良二に我が社の車を買わせるのは困難なのでは?

 他のインフルエンサーたちのように企業案件を受けていない以上、我が社の人間が彼に接近することすら難しいのだから。


「手はあります!」


「それはどんな手だ?」


 幹部候補生として入社した若い社員が、自信満々な態度で対策はあると断言した。

 古谷良二に我が社の車を購入させ、動画で報告してもらうことで、宣伝効果を上げる。

 果たしてそんなことが可能なのだろうか?


「実は私の妹が冒険者で、しかも古谷良二と同じ教習所に通っているんですよ。上野公園ダンション特区の教習所は冒険者しか利用できないので、他社の妨害もあり得ません。彼にさりげなく我が社の車を購入させることも可能です!」


「妹さんねぇ……」


「本当に君の妹は古谷良二に接触できるのかね?」


「特別な経費がかかるわけでもなく、駄目元かな?」


「そうだなぁ……」


 この若い社員は随分と自信満々なようだが、彼の妹は大した付き合いもない古谷良二に我が社の車を買わせることが可能なのだろうか?

 彼の妹が実はもの凄い美人で……いや、古谷良二の周辺にいるダンジョンの女神たちにはそう簡単に勝てないだろうし、彼は彼女たちとのスキャンダルを報じられたことがあるが、インフルエンサーにありがちな、アイドルや女優、モデルと浮名を流したという噂を聞いたことがない。

 最近、世界中の有名な冒険者と、その手の美女たちとの交際や結婚の話がワイドショーを騒がせるようになったというのに、古谷良二には一切それがないのだ。

 まあ自分の傍にあれだけの美少女が四人もいたら、他の女性に興味を抱かなくても当然というか……。

 正直羨ましくはある。


「うーーーん、他になにかいい手はないのかな?」


「なんとも難しいですねぇ。彼と会ったことがある企業経営者はとても少ないですから」


 最初は意気揚々とお歴々が集まってみたものの、いざ話してみると内容が尻すぼみとなってしまう。

 大企業あるあるだが他に手がないのも事実で、ここは若手社員君に任せるしかない。

 ただ、我が社は日本でトップの売り上げを誇る自動車メーカーだ。

 たまたま我が社の車を選んでくれる可能性もなくはないが、我が社の高級車は、他の国のメーカーに比べるとブランド力に劣るからなぁ。

 それにいくら稼いでいるインフルエンサーでも、十八歳の若者が高級外車を買ったという情報が流れるとそれに反発する人たちは一定数いるから、最初は国産の手頃なハイブランド車にしてくれるとありがたいのだが……。


「まあ任せてください。私の妹が声をかければ、古谷良二はすぐに興味を持ちますから」

 

 そんなに美人なのかね?

 とにかく若い社員君の妹さんが、古谷良二と上手くコンタクトを取ってくれることを祈ろうではないか。





「大分スムーズに動くようになったね。高速で飛行させても車体の揺れもまったくないし、Gを緩和させる装置も問題ない。自動運転モードも完璧だな」


「車内の内装も市販品よりもグレードが高くて、これならドライブも快適ですわね」


「イワキ工業って、車の販売も始めたんだね」


「ただの車ではなくて、空も飛べる車ですけど」


「日本でも開発していたのね。試験でこれを運転できるのは面白いわね」


 すでに運転免許を取った俺たちだったが、今日も上野公園ダンション特区内にある冒険者専用の自動車教習所で、とある車……空飛ぶ車の性能試験にも参加していた。

 これは、イワキ工業がダンジョン出現後、経営危機に陥っていたオーダーメード専門の小規模な自動車メーカーを買収し、古谷企画と合同で空飛ぶ自動車の開発を始めたことが発端だ。

 俺が会得した魔導技術と、手に入れた古代ムー文明の科学技術のおかげもあって、空飛ぶ自動車は短期間で実用に耐える性能を発揮していた。

 現在、販売に向けた最後の試験が進んでいるのだけど、ついでとばかり俺たちも実験名目で操縦……空を飛べても車だから運転なのか……半分遊びだけど、空飛ぶ車を運転していると楽しいな。

 俺たち冒険者はレベルアップの関係で、すぐ上手に車を運転できるようになってしまうので、空飛ぶ車も上手に安全に運転できている。

 飛行させてみるが、かなり速く飛べるんだな。


「一応仕事だけど、空飛ぶ車の運転は面白いな」


「リョウジさんは、空飛ぶ車を購入なさるのですか?」


「色々と検討したんだけど、普通の車を買っても面白くないから、これにすることに決めた」


 いつの間にか自分の会社が開発に協力している……プロト1がやっているから問題ない……空飛ぶ車は冒険者特区内でしか運転できないけど、俺は普段、ほぼ冒険者特区内か、ダンションか、アナザーテラでしか過ごさないので問題ない。

 同じような乗り物でメカドラゴンがあるけど、町中で使うには大きすぎてオーバースペックでもある。

 なにより日本の市街地で飛ばす許可を得られないので、この空飛ぶ車を購入しようと決めていた。


「イワキ工業が買収した自動車メーカーのおかげで、外装も内装もオプションも自由にカスタマイズできるからね」

「それで二億円ほどならお安いですわね。私もこの空飛ぶ車を購入しますわ」


「ボクも! これなら動画ウケしそうだしね。車体の色はどうしようかな?」


「私、自分で車を購入するのは初めてなので楽しみです」


「座り心地がいいように、シートはモンスターの皮革を使ったものにしましょう」


「リンダ、いいねぇそれ。俺ももうちょっと内装に手を加えるかな」


「……」


 たまたま同じ教習所に通ってるからという理由で、お兄さんから、古谷良二がお兄さんが働いている自動車メーカーの車を購入するよう、上手く誘導してくれって頼まれたけど無理よ!

 だって古谷良二は、自分の会社が開発中でもうすぐ完成する車を購入するつもりなんだから。

 しかも、EV車なんてすっ飛ばして空を飛ぶ車だなんて、日本の自動車メーカーでは想像できない事態だと思う。


「私も空飛ぶ車が欲しい!  でも高いわねぇ……」


 古谷良二が開発にかかわる空飛ぶ車の価格は、二億円を少し切るくらい。

 欧米の自動車メーカーも、一日でも早く販売しようと準備を進めているけど、価格はともかく性能ではまったく歯が立たない。

 外国の空飛ぶ車って、飛行時間や航続距離がかなり少ないんだけど、古谷良二たちが試験している空飛ぶ車は魔液で動き、航続距離も数千キロあるって話だから。

 これが発売された瞬間、お兄さんは失業してしまうかも。


「お兄さんのメーカーでも空飛ぶ自動車の開発はしていたはずだけど、まだ形になってないし、価格でも歯が立たないでしょうね」


 日本国内では、空飛ぶ自動車は冒険者特区内でしか運転できないけど、外国では先に解禁になるところが出てくるはず。

 そうなったら、今私の目の前で飛行している空飛ぶ自動車が世界のシェアを独占することになるでしょうね。


「お兄さん、だだの冒険者でしかない私が、古谷良二と仲良くなるなんて無理よぉーーー!」


 私では古谷良二たちが空飛ぶ車の試験をしている区画に入れないし、彼の側には常にダンションの女神たちがいて、私ごときでは接近することすら無理!

 お兄さんは私が可愛いと思っているけど、彼女たちに比べたら……ええ、私は普通ですとも。


「それよりも、運転免許取得の方が先よ。冒険者大学に入学するまでに取っておかないと」


 魔液燃焼エンジンのおかげで救われたのはいいけど、常に新しいことに挑戦していかないと、日本最大手の自動車メーカーですら潰れてしまうかもしれないなんて……。

 私も冒険者としての研鑽を怠らないようにしないと。






『無事に車の免許が取れたので、新車を購入しました! イワキ工業と共同開発した空飛ぶ自動車です!』


 動画で運転免許の取得を発表して、さらに正式に許認可が降りた空も飛ぶ自動車も購入したことを発表すると、世間は大騒ぎになった。

 高性能で燃費もいい空飛ぶ自動車が、二億円を切る価格で発売されることがわかったからだ。

 まだ運転できる場所は少ないし、価格は性能の割に格安とはいえ約二億円だ。

 庶民には手が届かないはずなんだが、今は好景気なので購入希望者が殺到した。


「古谷良二に我が社の車を買ってもらうどころの話ではないぞ! このままでは我が社は空飛ぶ車の開発に出遅れてしまう!」


「まさか、古谷良二が我が社のライバルになるとは思わなかった!」


「どうしたらいいんだ?」


 またもご歴々が集まる会議が始まったのだが、全員がもうすぐ発売されると発表された、空飛ぶ車の件で慌てふためいていた。

 確かに、古谷良二の動画で紹介されるといい宣伝効果になるようだな。


「解析はしているのか?」


「早速購入してバラす予定ですが、ブラックボックス状態の部分が多いでしょうね。特に、魔導技術を用いているところは手が出せません。魔導技術に詳しい冒険者はなかなか会社に入ってくれませんから。もし構造が理解できても、すでに世界中で特許を取られているので勝手に真似できませんし、その前に構造が理解できても量産できません。研究室の試作品と同等の部品や構造を用いてあの価格で販売なんてできませんよ」


「だよなぁ……」


 古谷企画とイワキ工業。

 大した生産力は持っていないと思ったのに、これは想定外だ。


「とにかく今は、一日でも早く追いつけるように開発と研究を続けるしかありません」


「追いつけるのか?」


「できなければ潰れます」


「「「「「「「「「「……」」」」」」」」」」


 全員の顔色が暗いまま会議は終わったが、その後、イワキ工業と古谷企画では注文された空飛ぶ車の生産ができないという理由で、我が社がブラックボックス部分以外の生産や組み立てを受託するようになり、我が社はピンチを潜り抜けることに成功した。

 空飛ぶ車の研究も順調だと聞くから、これも大手企業に就職した利点かもしれないな。






「お兄さん、やっぱり欲しくなっちゃったから空飛ぶ車を買っちゃった。宝箱でレアな換金アイテムがドロップしたんだよねぇ。あっ、空飛ぶ車だけだと冒険者特区以外で使えないから、お兄さんの会社の車も購入したよ」


「ありがとう、和葉(……新大学生が、空飛ぶ車と、我が社のハイグレード車をフルオプションを即金で購入だと!)」


 冒険者の妹が無事に運転免許を取得したが、どうやらとてつもなく稼げるようになったらしく、即金で空飛ぶ車を購入したという。

 羨ましい……。

 私のサラリーでは、絶対に買えないのに……。

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