第84話 丘冒険者
この世界の人たちが、ダンジョンに潜るようになってから二年以上。
この頃になると、魔力で動くビデオカメラも世間に普及してきて、動画配信サイトばかりでなく、テレビ番組でもダンジョンの様子を放映するようになってきた。
俺のダンジョン探索番組を始めとして、とっくに沢山流れているって?
それでも不思議なことに、テレビでダンジョンの様子を流すと視聴率が取れるので、今では猫も杓子もダンジョン企画ばかりだそうだ。
俺はテレビを見ないので、東条さんと西条さんが教えてくれた。
魔力で動くビデオカメラは数億円するけど、実はテレビ局が使っている従来の撮影機材も非常に高価だそうで、躊躇わずに購入したと岩城理事長が言っていた。
むしろ世界中のテレビ局で取り合いになっており、納品に数ヵ月かかるなんてザラにあるそうだ。
なにしろ現時点では、イワキ工業しか製造できないから当然か。
テレビ局は、ダンジョンに潜った経験がある人たちを雇って、カメラマンやレポーター、音声、照明を守らせながら映像を撮影する。
結構な経費がかかるんだが、視聴率が取れるので予算には融通が利くみたいだ。
フルヤアドバイスにいる、テレビ局の元社長がそう言っていた。
ただ、中には制作費を節約しようと、撮影スタッフを護衛をする冒険者の質を落として重大事故を起こしてしまうケースもあった。
安全に撮影するには、冒険者特性がある冒険者を、それも高レベルの冒険者を雇った方がいいに決まっている。
だが、彼らのギャラは高い。
その前に、高レベルの冒険者は、ダンジョンを撮影するテレビクルーの護衛をするよりも普通にモンスターを狩った方が儲かる。
テレビに出られるからと、半分ボランティアで参加する高レベルの冒険者もいたが、じきに大した意味がない事実に気がついてしまう。
宣伝になる……と勧誘された冒険者たちもいたが、よくよく考えると冒険者に宣伝なんて無意味である。
むしろ高レベルの冒険者ほど、顔と名前が知られてしまうのはリスクであった。
なぜなら、高レベルの冒険者は金を持っているので、おかしな詐欺師紛いの人間が近寄ってくるからだ。
俺と同じく、動画配信をしている冒険者は宣伝目的で出演するってケースが多いかな。
とはいえ、このところダンジョンの様子を撮影する冒険者は増えており、冒険者の動画配信では激しい競争が始まっていた。
常に、俺以外誰も到達していないダンジョン下層部の様子や、他の冒険者ではあり得ないレベルのモンスター討伐の様子を更新し、ダンジョン動画の第一人者にして先行者でもある俺のチャンネルは、登録者数と視聴回数が増える一方であったが、後発組はたとえ高レベルの冒険者でも動画配信者としては苦戦している人が多い。
なにか独自の工夫をして、かなりの成功を収めている人もいるけど、そういう人に限ってテレビの撮影には協力しない。
すでに動画配信者として成功している冒険者たちが、テレビ局の都合に合わせて仕事をしても、時間ばかり食って損をするからだ。
自分だけでやれば儲かるからな。
どうにか冒険者を利用して視聴率稼ぎをしようとするテレビ局に反感を持つ冒険者は多かったが、実はお互い様なところもある。
冒険者の中にも、一回しかダンジョンに潜ったことがないのに、『自分はベテラン冒険者です』と嘘をついて高額のギャラをせしめ、いざダンジョンでモンスターに襲われると、撮影クルーを見捨てて逃げるような奴もいた。
実は、結構テレビ番組の撮影クルーに犠牲者が出ているのだ。
世間では、『危ないから、ダンジョンの番組はやめろ!』と言う声もあったけど、視聴率が取れるという魔力の前には、近年視聴数が減り、老人のメディアと呼ばれて危機感を抱いているテレビ局は耳を傾けない。
ただ、『極力安全に配慮します』とは言っており、そのせいか一階層と二階層の撮影ばかりとなってしまった。
素人である撮影クルーを守りながら、三階層以下に挑むなんて、レベルが30を超えていないと難しい、レベル30を超えた冒険者はテレビ局の撮影クルーの護衛なんてしない。
だって儲からないから。
そこでテレビ局から、俺の動画を使っていいかという連絡が多数きていた。
最初は、『テレビで使ってやる。宣伝になるからありがたく思え!』みたいな舐めた態度だったので断ることが多かった。
一局だけ、勝手に俺の動画を情報バラエティー番組で使ってしまって見事炎上。
フルヤアドバイスに所属しているその局のOBが、テレビ局に怒鳴り込んだなんてこともあった。
結局、その情報バラエティー番組は打ち切りになってしまい、司会やレギュラー出演をしていたタレントたちが涙目だったという。
自分の預かり知らないところの不祥事で、しかもその番組は視聴率が高かったので、打ち切りになるなんて想定外だったからであろう。
その後は、顧問弁護士の佐藤先生が間に入り、かなりの額の慰謝料と、以後は動画の使用料をしっかり払ってくれることになった。
なるほど、フルヤアドバイスって節税以外にも役に立つんだなと、初めて思った瞬間だった。
あと、動画の使用料は結構美味しかった。
『テレビ局って、金を持ってるなぁ……』って思うのと同時に、『ネットなら無料で見られるのに……』とも思ったけど、西条さんが言うには、テレビしか見ない老人たちからしたら、スリリングで楽しいコンテンツなのだそうだ。
すでに撮影、公開された映像で金を稼げるなんて美味しい……などと思いながら、今日の仕事を終えて上野公園ダンジョンの入り口まで戻ると、突然一階層の奥から若い男性冒険者が逃げるように飛び出してきた。
「邪魔だ! どけ!」
「ガキ! 殺すぞ!」
「入り口にぼーーーっと突っ立ってるんじゃねえよ!」
上野公園ダンジョンの入り口にいた俺を突き飛ばして外に出ようとする三人。
見た感じ、格好だけは冒険者っぽいが、ただの素人だな。
冒険者特性も持っていないことが確認できた。
「いわゆる、丘サーファーみたいな連中か……」
このところ、特に目立つようになった連中だ。
自分は冒険者としてダンジョンに潜っていますと言いながら、入り口から少し中に入ってすぐに出てしまう。
スライムと遭遇する前に、ダンジョンから出てしまうのだ。
どうしてそういうことをするのかと言えば、冒険者だと言えばモテるからである。
ダンジョンに潜らないのに、SNSに装備を着けた自分の姿をあげて、承認欲求を満たす人もいる。
他にも、『冒険者として大成功を収めた自分が、冒険者してのノウハウを教えます』と素人をカモにしたり、『自分が得た魔石やモンスターの素材、ドロップアイテムを格安で販売します』と嘘をつき、代金を欺し取ったり、偽物を売りつけたりする。
最近、日本政府がダンジョン詐欺に注意なんてCMまで流していたけど、引っかかる人はなかなか減らなかった。
東条さんが言うには、世界中の国で問題になっているそうだ。
特に多いのが、モンスターの肉、内蔵、素材を、牛、豚、鶏、魚の肉や内臓を用い、似せて作った偽食材であった。
実際に食べると、素人でも判断できるほど味に差があるんだが、これまで一度も食べたことがない人だと、比べようがないので結構欺されてしまうらしい。
特に、オークションサイトに出品されているものは危ないと聞く。
買取所や、俺がそれらの素材を卸しているイワキ工業の通販サイトは全部本物だけど。
ただとても高価なので、オークションサイトに安い品があると手が出てしまう人はいるというわけだ。
この手の詐欺をゼロにするのは難しい。
話を戻すが、若い男性三人は『丘冒険者(おかぼうけんしゃ)』だろうな。
ダンジョンに潜った割には装備が綺麗なままだし、一見装備も豪華だけど、実はプラスチック製だった。
今、玩具名目でそういう製品が売られているのだ。
仮装用らしいが、装備して、パーティーやSNSで写真をあげてみたりする。
そういう目的で作られた商品なんだが、価格がお手頃なので、丘冒険者が購入して装備しているケースが多かった。
本物の装備品は高いので、本当にモンスターを倒さない丘冒険者には都合のいい商品だった。
日本人らしい拘りというか、素人には本物の装備と見分けにくいものもあり、彼らが着けていたのはそれだった。
装備……というほどのものではないので、着るのが正しいよな。
「やれやれだ」
俺の頭上には、『ステルス』で姿を消しているドローン型撮影ゴーレムもあったというのに……。
彼らのみっともない所業はすべて撮影されていた。
「しかし、スライムごときで逃げ出すなんて、究極の丘冒険者だな……っ!」
「(きゃぁーーー!)」
なんて思ったのと同時に、一階層の僕の方から若い女性の叫び声が聞こえてきた。
他の冒険者には聞こえないほど小さな悲鳴だったけど、俺には聞こえてしまった。
聞こえた以上まさか見捨てるわけにもいかず、俺は全速力で悲鳴が聞こえた場所へと走っていく。
常人なら救援が間に合わなかったかもしれないが、今の俺は高レベルの冒険者だ。
ちょうど若い女性と、撮影をしていたと思われるテレビ局のスタッフたちが、スライムの大群に囲まれているところであった。
「(さっきの連中……。まったく、これだから丘冒険者は……)」
状況から察するに、先ほど恐ろしい勢いでダンジョンの外に出て行った丘冒険者たちは、 悲鳴をあげた若い女性……普段テレビを見ない俺だが、どこかで見たことがあるような……と撮影スタッフたちの護衛だったのであろう。
「(これだけのスライムに囲まれるなんてこと、まずあり得ない……。そういうことか)」
多分、今スライムに囲まれて震えているテレビスタッフたちが沢山のスライムを撮影したいと言い出し、雇った丘冒険者たちが誘き寄せたはいいものの、手に負えなくなって逃げ出したというところか。
撮影スタッフとしても、高レベルの冒険者がなかなか護衛の仕事を引き受けてくれないので一階層にしか行けなくなったという話を聞いている。
せめて、スライムの大群で撮れ高を得ようと考えたに違いない。
だが、肝心の護衛が丘冒険者だったせいで、スライムの大群を見たら逃げ出してしまったようだ。
「(ダンジョンとモンスターを舐めるから)」
「死ぬ! 死ぬ!」
「護衛の冒険者たちが逃げたぞ! 一体どうなってるんだ?」
「偽物の冒険者なんて雇いやがって!」
「俺に言われても知らねえよ! あの冒険者たちを雇ったプロデューサーに言え!」
残念ながら、レポーター役の若い女性タレントはともかく、撮影スタッフの中にジャーナリズム魂がある人は一人もいないようだな。
高価な魔力で動くビデオカメラを放り投げ、責任を押し付け合っていた。
声をかけるのも時間の無駄なので、俺は時計回りにすべてのスライムを数秒ですべて斬り捨てた。
手応えがなかったのは、今でもダンジョンの最下層でレベルアップを続けているからだろう
どうやら、撮影スタッフたちの中に死者はいないようだ。
「久々にスライムを倒したが、 ますます手応えがなくなったな……負傷者がいるか? 『ヒール』」
ただし怪我人はいたので、急ぎ『ヒール』で治す。
ダンジョンで死人が出ると、法治国家である日本は色々と面倒だからな。
「助けてもらってありがとうございます……あっ!」
「えっ?」
「古谷良二さんだ!」
代表してお礼を述べた若い女性レポーターは、俺の顔を知っていた。
まあ当然か。
「(面倒だから変装しておけばよかった)あの! インタビューをお願いしていいですか?」
「ここはダンジョンの中で、今はそれどころじゃないと思うが……」
護衛に連れてきた冒険者たちに逃げられた以上、一刻も早くダンジョンから脱出しないといけないのに、これだから素人は……。
「へへへっ、あの冒険者たちは逃げてしまったけど、これは思わぬ幸運だ。人命救助を果たした古谷さん、我が局の独占取材を受けてくださいよ。カメラマン! 急いで撮影しろ! お前が放り投げたカメラは高いんだからな! 壊れてたらぶち殺すぞ!」
ついさっきまで命の危険にあったせいか、醜い争いをしていたはずなのに……。
俺が助けたら、独占取材をできると思って大喜びしている。
職業病なのだろうか?
「取材は一切お断りしています。それよりもついて来てください。ついて来なくてまたスライムに襲われても自己責任ですよ」
取材を受けるつもりはないので、俺はダンジョンの出入り口に向かって歩き出した。
命が惜しいのか、みんなついて来るが、プロデューサーと思われる中年男性がしつこかった。
「古谷さんの取材に成功した媒体はないので、これは大きなチャンスなんですよ。あなたににもいい宣伝になるでしょう?」
「いえ、俺がテレビに出るメリットはまったくありませんよ」
なぜなら、俺は小なりとはいえ動画配信者として独立した存在だからだ。
古谷企画の収益の一つに動画配信の収益がある以上、他の媒体に出て視聴回数を分散する意味はなかった。
人間の時間は有限なので、テレビではなく俺の動画を見てほしいのだ。
「いわば、あなたたちの局と俺はライバル関係にもあるわけです。無名の動画配信者なら宣伝目的のためにテレビに出演するかもしれませんが、俺はお断りしています」
「そこをなんとか……。今日は全然撮れ高がなくて、このまま局に戻ったら、私は叱られてしまうんです」
「それも仕事のうちですから、仕方がありませんね」
元々このプロデューサーらしき人物が、丘冒険者なんて雇わなければこんなことにならなかったんだ。
テレビ局のクルーは冒険者じゃないから仕方がない?
いや、そんな言い訳は通用しないだろう。
自分で冒険者の良し悪しがわからなければ、それがわかる人にちゃんとお金を払って冒険者の選定とギャラ交渉を依頼する。
そして、その冒険者たちに正当な報酬を支払う。
一階層や二階層の撮影なら、冒険者特性がなくても真面目に活動している冒険者パーティに依頼すれば、そこまでギャラも高くない。
それができなかった時点で、このプロデューサーは管理職失格であろう。
「ちなみに勝手に撮影することはお勧めできませんよ。当然法的な対応もさせていただきます」
最近、色々と変なのが沸いているから、 顧問弁護士の佐藤先生は大忙しだった。
うちの場合、たとえ金銭的に損をしても、悪質な人物は徹底的に追い込むスタンスだし、それは古谷企画と俺のイメージを守るための必要経費であった。
ゆえに、 佐藤先生は毎日忙しく働いている。
だから、俺はプロデューサーに対し事前に釘を刺したわけだ。
「しかし、 我々は国民の知る権利のために……」
「報道番組ならともかく、バラエティー番組がですか?」
「それは……」
そもそも、簡単に視聴率が取れるからという理由でダンジョンに潜っているだけなのに、知る権利もクソもないと思う。
しかも上野公園ダンジョンの一階層なんて、マスコミ媒体で出てこない日がないんじゃないかな?
自分たちは決して潜らないが、お馴染みの光景になっていた。
そして、真面目にダンジョンに潜っている冒険者を邪魔する存在として、嫌われつつあるのも定番という。
「出入り口に到着です。このまま外に出てください。では」
死なれると目覚めが悪いから助けたが、彼らの印象は最悪だった。
これ以上関わり合いたくないので、すぐにその場を離れることにする。
今日は早く家に帰ろう。
「へえ……。 我々の取材に協力しなくて本当にいいんですね?」
急に、強気な口調で俺にそう尋ねてきたプロデューサー。
これまでの経験からして、なにやらろくでもないことを考えていたようだ。
「この私を誰だと思っているのかね? 天下の第一テレビのプロデューサーだぞ! 第四の権力者である我々が、お前にダンジョンで殺されかけたと番組で言えば、テレビを見た大衆は全員信じる。世間から袋叩きにされたくなかったら私の番組制作に協力するんだ。そうだ! これからは私だけの番組に独占的に出演しろ! わかったな?」
「お話にならんな」
こんな、虎の威を借るしか能がないバカと話をするだけ時間の無駄だ。
俺は、すぐにダンジョンを出て彼らから離れた。
「コラッ! 私を無視するのか! そちらがそういう態度なら、今週の私の番組でお前の悪事を徹底的に暴いてやるからな!」
「……アホらし……」
撮影スタッフの静止を振り切って自宅に戻った俺は、急ぎ先ほど撮影した動画の編集をプロト1に頼んだ。
「こういう人いるよなぁ……」
自分が所属している組織を利用して威張り腐る奴。
向こうの世界でも、王族や貴族、大商人の子弟に多かった。
散々嫌な目に遭ったし、当然制裁を加えたこともある。
怒り心頭でもないが、 この手の蛆虫は放置しておくとハエになってうるさいので、早めに始末するに限るという経験だけは得ていた。
『本日、上野公園ダンジョンでとんでもないテレビ局の撮影スタッフに遭遇しました。ダンジョンに撮影に来るのは自由どすけど、もう少しなんとかならないんですかね?』
という字幕から始まる動画は、実は上空に浮かんでいたドローン型ゴレームが撮影していたものだ。
まずは、丘冒険者たちがダンジョンから逃げ出すシーンから始まり、俺が一階層の奥に駆け付けて、撮影スタッフを囲んでいたスライムの大群を駆逐。
そのあとプロデューサーが、俺が取材を断ったので脅しをかけるところまで。
念のため顔にモザイク入れていたが、プロデューサーが自分の所属するテレビ局を口にしたところを消すのを忘れてしまった。
プロト1に言うのを忘れてしまったけど、天下の第一テレビの世界的な宣伝になったから文句はないはずだ。
この動画の宣伝が、第一テレビにとって得なのか損なのか、 頭の悪い俺には判別つかなかったけど。
「残念だったな、 先に動画をあげさせてもらったぜ。プロデューサーさん」
たとえ嘘でも、先に俺を批判する番組が放送されると、どうしてもそれを信じてしまう残念な人たちがいるからなぁ。
そこで、すぐに自称第一テレビのプロデューサーの言動をすべて動画で公開させてもらったのだ。
俺の読みは当たり、その動画はこれまでの最高再生回数を記録した。
そしてコメントには、傲慢な第一テレビとプロデューサーへの批判で溢れかえり、数日後、テレビのニュースやワイドショーでも放送されて大問題になった。
『自分がインチキ冒険者に護衛を頼んでダンジョンに潜ってモンスターに殺されかけたのに、それを助けた古谷良二さんが取材を断ったら悪行を放送すると脅す。このプロデューサーはとんでもない男ですね』
『マスコミ人の風上にも置けませんよ』
『弁護士の広川さん、これは脅迫の該当するのでしょうか?』
『このように完全に証拠はありますし、テレビ局の名を語って脅したのは悪質だと思いますから、彼は逮捕されてしまうかもしれませんね。テレビ局は、このプロデューサーに厳しい処分を下すべきです』
まさかプロデューサーも、自分の番組が放送される前に自分の悪行が全世界に晒されるとは思わなかっただろうな。
動画配信者を舐めるからこうなる。
「そもそも、あのプロデューサーってそんなに偉いんですか?」
「プロデューサーだからそれなりに偉いけど、フルヤアドバイスには第一テレビのOBもいるんだけどね。だから古谷企画は、高い経費を払ってフルヤアドバイスの面々を養っているというのに……。そこに理解が及ばないってことは、彼はもともと出世できなかったのだろう」
その後、件のプロデューサーは製作費の横領が発覚し、第一テレビを懲戒解雇されたばかりでなく、塀の向こうの住民となってしまった。
動画サイトの漫画でよくありそうな話だったけど、今回の告発動画のおかげでさらに冒険者チャンネルのチャンネル登録者数と視聴回数が増え、得をしたのでよしとしよう。
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