倍速で見る浦島太郎
黄黒真直
倍速で見る浦島太郎
ある日太郎が
「おいきみ達っ、弱い者いじめはやめるんだっ」(高音)
「ヤダヨッ、せっかく捕まえたんだっ。どうしようが俺達の勝手さっ」(高音)
「ならこのお金をあげるからその亀を売ってくれっ」(高音)
「ソレナライイヨッ」(高音)
太郎は子供達から亀を助けるとっ、海へ逃がしてやりましたっ。
数日後っ。太郎のところに助けた亀がやって来ましたっ。
「浦島サンッ。先日は助けて頂きありがとうございましたっ。お礼に竜宮城へご招待しますっ」(高音)
亀は太郎を背中に乗せるとっ、海に潜っていきましたっ。
亀はめっちゃ速かったっ! まるで倍速でもしてるかのようでしたっ!
海の中には美しい景色が広がっていましたっ。
色とりどりの珊瑚っ、舞うように泳ぐさk
そのお城はとても美しく、まるで
太郎は広間に通されましたっ。
そこには乙姫様というとても可愛いお姫様がいましたっ。
「太郎さん初めましてっ。どうぞゆっくりしていってクダサイネッ」(高音)
乙姫様は早口で言いましたっ。
豪華な食事が出され
竜宮城の美しい侍女達も
ひらひらとしたスカートを舞わせ、
・
・
・
太郎は時間が止まったように
楽しい食事が終わるとっ、乙姫様が言いましたっ。
「今日は泊まっていくでしょっ?」(高音)
乙姫様は肌も
太郎はもちろん泊まっていきました。
二人は結婚し、
太郎はもちろん泊まっていきました。
二人は結婚し、
太郎は言いましたっ。
「おっかあが心配してるだろうからっ、一度陸へ戻るよっ」(高音)
「ちゃんと帰ってきてくださるっ?」(高音)
「もちろんさっ」(高音)
「よかったっ。そうだっ、お土産にこの玉手箱を差し上げますっ。でも決して開けてはいけませんよっ」(高音)
太郎は亀に乗り地上へ向かいましたっ。
亀はやっぱり速かったっ!
すぐに元の浜に着きましたっ!
しかし浜はっ、なんだか様子が変でしたっ。
知ってる人がひとりもいませんしっ、知ってる家も一軒もありませんっ。太郎の家もなくなりっ、おっかあもどこにもいませんっ。
そうですっ、太郎がいない間にっ、誰かが地上の時間を数百年進めてしまったのですっ!
困った太郎は玉手箱を開けましたっ。
すると中にはっ、
▶▶
↑こんなものが入っていましたっ。
「これはなんだろっ?」(高音)
太郎はそれを押してみましたっ。
すると白い煙がもくもくと出てっ、太郎の時間が
そして太郎は鶴になりっ、大空へ飛んでいきましたっ。
めでたしめでたしっ。
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倍速で見る浦島太郎 黄黒真直 @kiguro
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