第41話 林間学校1日目④

 時間は過ぎ、夕方。

 キャンプファイヤーの時間が近づいていた。

 今は割り当てられて部屋でのんびりと過ごしている。


「宗一はあの伝説知ってる?」

「伝説?」

「先輩に聞いたんだけど、なんでもこの林間学校のキャンプファイヤーを一緒に見た生徒とは一生の付き合いをしていけるらしいよ!」

「なんだそのよく分からない伝説は?そこは一緒に見た異性とかじゃないのか?」

「違うみたいだよ。男女関係ないみたい」

「変な伝説だな」


 ラブコメなら、ここで恋人とか好きな人と一緒にキャンプファイヤーを眺めるって展開になるんだろうな。

 そんなことを思いながら、俺は窓の外を見た。

 キャンプ場で先生たちがキャンプファイヤーの準備をしてくれているのが見えた。


「ちなみに宗一は誰かと見るのか?」

「特にはいないな」

「なら俺と一緒に見ようぜ!」

「渉と?」

「ああ、俺は一生、宗一と一緒にいたいからな」

「俺たちはカップルか!」

「カップルっていうより親友だな!」

「まぁそれならいいか」


 どうせ今のところは一緒に見る人もいないしな。

 

「じゃあ、決まりな!」


 そう言うと、渉はスマホを取り出して誰かに連絡をしているようだった。

 

「あ、そうだ。二人とも渉のことをちゃんと連れてきてくれたありがとな」

 

 言い忘れていたお礼を2人に言った。

 二人は嬉しそうに頷いた。


「で、渉は誰に連絡をしてるんだ?」

「それは秘密!」

 

 めっちゃ怪しい。

 渉が秘密にするときはたいていろくなことがないんだよな。

 何を考えてるのか分からないが、おそらくこの後のキャンプファイヤーで何かが起きるということだけは分かる。


 それから、俺たちはキャンプファイヤーが始まる時間まで雑談をしながらまったりと過ごした。

 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

俺のことが大好きな学年一の美少女と元カノたちの戦い 夜空 星龍 @kugaryuu

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ