第8話

 「お会計合計で12836円になります」


響子が来たがっていた印有良品に来た。


「買いすぎだろ...お前...こんなの何のために買うんだよ...」


響子のカートの中には苔玉やCDプレイヤーを持っていないのにCDが入っている。


「苔玉可愛いじゃん」


???????????????????????????????????


「何言ってんだお前」

「え~ダメ?」


響子が上目使いで見てくる。俺の身長が174㎝で、響子はたしか160ちょっとだから普段から話すときは見上げられることが多いが、これは違う。攻撃力が。


「ん~仕方ないなぁ~」

「やった!」

「でも、全部は無理だ。大体、CDプレイヤー持ってないのにCDだけ買って、どうやって聞くんだよ」

「可愛かったから...」


????????????????????????????????????


「とりあえず、少し減らそうな」

「分かったよ...」


店員さんに謝り、レジから少し離れた場所でカゴから余計なものを取り出して、もう一度会計に通した。


「合計で6128円になります」


だいぶ減ったな。


「7000円近く不要なものがあったってことか...恐ろしいな」

「えへへ...」

「褒めてないが?」


でも可愛い。



会計を済ませて店を出ると、外に江藤さんが待っていた。



「竹中くん、終わったかい?」

「はい。待たせてすいません」


かなり待たせてしまったな...


「全然大丈夫だよ。それで、欲しいもの買えたかな?響子ちゃん」

「買えました」


少し不満そうな顔をしているが、こんなものだろう。


「さて、じゃあ病院に戻ろうか」





            


              ~移動~



江藤さんの車に乗せてもらい、病院に到着して、響子の病室に移動して買ったものを一通り整理をした。


「疲れたな...」


時計を見ると、短針は7を指していて19時を過ぎていた。

1時間くらい整理したのか...


「もう帰っちゃう?」


たしか...病院の面会時間は19時30分までだったな。


「ああ、うん。そろそろ出ないといけない」

「そっか...少し怖いな...」


寂しそうな顔で俺を見る。

響子の顔を見てなぜか俺は、真夜中の病院に怖がっているわけではない気がした。

不安を感じたんだ。多分これは、孤独という不安。

精神障害を抱えていても、本当は親のこと、もう一つの人格のことを覚えていると俺は考えている。今の状態は、言わば現実逃避だ。


「そんな捨てらた子犬みたいな顔で見られても俺はここに泊まれません」

「えぇ~」


響子は、精神障害を抱えてから、暗くなった。靄がかかった感じだ。


「じゃあ、俺は帰るからな。さっき買ったご飯、食べろよ」

「分かってるって。お母さんみたいだよ...って、あれ?」


頭を抱えた響子は少し混乱した様子だ。


「大丈夫か?」

「うん...大丈夫。なんか変...頭が変な感じ...」


親のことについて触れるのはやめておいた方がいいか...


「あんまり考えすぎるな。飯食って早く寝て頭を休めろ」

「分かった...ばいばい翔ちゃん」


俺は病室を後にする。

早く何とかしなくちゃだめだ。このまま響子に刺激が入り続けると、おかしくなってしまう。



ポケットに違和感を覚えた。電話が鳴っている。

江藤さんからだ。


「もしもし、竹中くん?」

「はい。竹中です。どうしたんですか江藤さん?」


俺からたまに響子のことで連絡を取ることはあるが、江藤さんからはあまりない。


「裁判の日程が決まったよ」

「本当ですか?!」

「ああ、再来週の土曜日に決まった」


かなり急だ。あと12日ほどか。


「かなり急ですね」

「今回はかなり複雑だからね。上の人たちは早く済ませたいみたいだよ」


上の人...警察とかのお偉いさんとかか。そんな面倒に思われてるんだな。

まぁ、父親の殺害、父親による母親と響子への虐待、母親の精神崩壊、響子の多重人格、精神障害。これだけの要素があるんだ。面倒ではあるな...


「それで、響子ちゃんは病室についてから何か変わったことはなかったかい?」


さっきのことは言っておいた方がいいか。


「さっき病室で少し話しているときに不意に親のことが話に出てしまって、少し混乱してる様子でした」

「そうかぁ...まぁ無理もない。」

「まぁ、そうですよね...」


あの辛そうな顔をもう見たくない。いろんな感情がごっちゃ混ぜになったような、そんな顔だ。


「それじゃあ、竹中くん。僕もまだ仕事が残ってるから、失礼するよ」

「はい江藤さん。ありがとうございました」


江藤さんとの電話を終えて、病院から出て家に歩いて帰りながら俺は考える。

再来週か...やっぱり早いな...

短い期間だが何か...何かできることは無いか?響子はしばらく病院だから見舞いはほぼ毎日行くとして、何をしよう。ただ待っているのもウズウズするだろう。

何か出来ること...今回の件でまったく手をつけてないもの.....


そうだ。響子のお母さんに会いに行こう。










コメント;1か月ぶりです。アニメ見たり学業忙しかった(大嘘)りしました。

     最近のマイブームは寝る前にシチュエーションボイスを聞くことです。

     原神リセマラして6時間で七七が出ました。雷電将軍、ジン、刻晴狙いで

     やっていて、意地でもどれか当てるつもりのところに七七が来て普通に

     リセマラ諦めて七七を育てることにしました。

     雷電将軍は復刻来たらお金入れます。

     



  

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ジキルとハイドな幼馴染 酸素 スウ @Sanso_suu

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