第17話 あとがき(※本編のネタバレあります)
数多くある作品の中から、この話を選び、読んで頂き、本当にありがとうございます。
この作品は、小説家になろうさんのサイトで連載していた作品で、無事に完結したので、カクヨムさんにも再掲載させて頂きました!
一部修正はしてますが、内容に全く変わりはありません。
異世界召喚ということで、舞台背景を描くのが苦手な私は、ファンタジーて、なんとなく魔族がいてエルフがいて、それを退治する勇者がいて・・・というよくあるお話を読者の皆さんが知ってる前提で書かせていただきました。
本当の悪いやつは誰か・・・?
結局はっきりとした答えは出しませんでしたが、皆様はどう考えましたか?
私の中でこの答えは決まっています。
それはこの物語を書いた、私自身です。
この世界を平和で争いのない様にしたければ、魔族の様に欲の無く、争い事もしない人物のみで構成すれば良かったことです。
しかし、そんな物語はつまらない。
だから、面白い物語を作るために、
1000年以上生きたとされるエルフを作り出し、思いのままに操り、争いの火種を作り出した。
欲に溺れる国王の家系や人間達を作り出した。
魔族を人間が怖がる容姿に設定し、人間と異なる言語にし、仲違いなるように仕向けた。
すべては、私の面白い物語を作りたい、という欲のままに・・・
というのが、私の中での結論でした。なので、
「この世界は楽しかった?」
最後のローブ男の問いかけは、読者の皆様に向けた言葉でもあります。
この話を書く時に決めた事が、
短編である事。
長編を書き切る自信が無かったので・・・
次に、メッセージ性を持たせること。
見ての通り、異世界召喚されたのにも関わらず、城から1歩も出ることなくただ話をするだけの話。これ一体何がしたいの・・・?と、自分でも思いました。
悪いやつは誰か?みんなそれぞれ罪を犯しています。
相手の意志を確認せずに異世界へ拉致し、人間の手に負えない様な力を人間に与えてしまったエルフ。
相手を姿だけで判断し、殺してしまった魔族。
同じ種族同士での過ちならば、個人的な問題で終わりますが、それが異種族となると、大きな問題に発展します。そこは主人公の世界でも一緒ですよね。
そして自分の欲のままに動き、全てを手に入れようとした人間。
(ここだけの話、実は魔族が人間界に来た理由、最初はエルフによる魔界侵略だったのです。そして本当に悪いやつはエルフだったと・・・そういうオチでしたが、主人公と同じく、異世界召喚があるじゃないか!と思って変更しました・・・)
そして、何よりもやりたかったのは、終盤にどんでん返しをする事。
私はその手のお話が大好きで、時々そういうギミックを頭の中で考えたりもしています。
その為には、2つの隠された真相を用意する必要があると思いました。
ひとつは、実は人間の方が悪いやつだった。
これはある程度予想がついたと思います。
そしてその裏に隠されたもうひとつの真実が、エルフが1番悪いやつだった。
エルフの悪さを隠すために、『エルフは被害者側である』というミスリードをするべく、『エルフは兵器を使って人間に脅された』という仮説を主人公に言わせました。
ここまでの時点で、主人公の仮説は的を得ていたので、信憑性を持たせることが出来ると思いました。
しかし、隠す反面、所々に伏線も置いてたのですが、私の未熟な文章力で分かりずらく思えたと思います・・・m(*_ _)m
もしも魔族が何故人間界に来たか・・・のとこで、「異世界召喚なんじゃ?エルフ怪しくない?」と勘づいた方がいらっしゃったら凄いと思います・・・!
主人公の仮説は前半はことごとく周りの人間を論破していきますが、終盤のエルフとのやり取りではすっかり大人しくなってしまいます。
1000年以上も生きている相手に、その10分の1も生きていない人間が叶うはずが無いのです。
主人公は完璧な人間じゃない。それもこだわりのひとつでした。
ちなみに、国王と一緒に主人公の話を聞いた人達は、あの後エルフにより記憶を消されてしまうのですが、女兵士のメモ帳には、「魔族にサングラス」というメモが残っているので、後に魔族にサングラスをプレゼントしに行ったかもしれませんね!
そして彼女はやがて魔族と心を通わせ・・・なんて。
最後、10年後に現れた男。
10年後といえば、向こうの世界ではちょうど100年経過したことになります。
果たしてあの世界の彼なのか・・・?
そして主人公の世界は同じ道を辿らない選択が出来るのか?
最初は夢オチを信じて眠って締めくくろうと思ったのですが、落とし所ははっきりさせようと、どたんばで変えました。
このどたんばで変更する事、結構多かったので、矛盾が生じていなかったか、分かりにくくなっていないかは気になるところです・・・
本当に未熟な部分が多くて、申し訳ありませんm(*_ _)m
長くなりました・・・m(*_ _)m
この物語は、私にとって初めて、最後まで書き上げる事が出来たお話になりました。
今後の活動予定は今のところありませんが、もし次にお会いした時には、もっと楽しんで頂けるような世界を作りたいです。
最後までお付き合いくださった皆様、本当にありがとうございました。
勇者になりたくない男は仮説を立てる 三月叶姫 @kanchan39
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