【第二章 登場人物】

・ミト

 色気よりく食い気の、本作のヒロイン(のはず)

 ただ今家出中。実は森の民エルフのお姫様。冒険に憧れている。

 本人の能力か、森の民エルフの特性か、身体能力だけは異様に高い。

 危険な案件には、ジュウベエとハンゾウに置いていかれがち。

 しかし、彼女が勢い良くスパーンと扉を開けたら、それは彼女が絶好調である証なのだ。


・ジュウベエ

 抜くことの出来ない、一見木刀に見える刀を携えた刀使いの青年。

 かつての山籠りの修行の成果で、『斬撃』を飛ばせるようになった。

 いつも鹿爪しかつめらしい顔をしていて、表情の変化に乏しい。基本無口。

 ミトと旅を共にすることにしたが、彼女を危険な目に遭わせたくないと考えている。


・ハンゾウ

 本来は術士なのだが、諸事情によって、多くの術は使えない。

 そのため、殴る蹴る極める、などの武術を行使して、力技で事件を解決する。

 冒険者なんだか、公儀の隠密なんだか、相変わらず良くわからない。胡散臭い笑顔の持ち主。

 ミトと旅をすることになったが、ジュウベエ同様、彼女を事件に巻き込みたくないと考えている。


・ウツホラキリ

 自称『包丁のツクモガミ』

 その正体は、人の言葉を話す妖刀。

 前回の事件で、ハンゾウに押収された。

 包丁の本領を発揮して、今回は大活躍。

 しかし、お前は『刀』ではなかったのか。


・山に現れたヌエの大群

 ジュウベエはヌエだと言い張っているが、中型スフィンクス(雌型)である。

 (また、彼の回想上にて語られたヌエは、グリフォンであった)

 キマイラタイプの怪物モンスターを、全てヌエと称するのは、母ちゃんが家庭用ゲーム機は、全部ファミコンと呼ぶようなものであろうか?

 何者かの手によって、町境の山で大量に培養されており、解き放たれる寸前であった。

 このあやかしには、ミトも思うところがあるらしい。特に胸部の辺りに。

 討伐済。


・海に現れた大ウツボの妖

 町の南側の沿岸部に現れた巨大なウツボの妖。

 何者かに『力』を与えられ、凶暴化した節が見受けられる。

 ハンゾウとウツホラキリによって、三枚下ろしにされた。

 話を聞いたミトが、「ウツボって美味しいのかしら」と思ったのは誰も知らない。

 討伐済。


・地元の冒険者たち

 ハンゾウに率いられ、大ウツボ討伐に参加した。

 山のあやかしが暴れた後の始末も行ったらしい。

 地元の武家や、商家、あるいは農家や漁師の次男坊、三男坊が多い。

 家督は継げなかったが、冒険者活動の中に、自分の未来を見出している。


・山の古寺の坊主

 ジュウベエの回想の中で語られる、山寺の主。

 スキンヘッドに立派な白髭の、山の民ドワーフの刀鍛治。

 先の大戦おおいくさ以来、山に留まり、仲間の弔いを続けていた。

 また都と、その周辺の瘴気を祓う御役目も担っている。

 最近では、陶芸家として東の都で名を馳せているらしい。

 ジュウベエの腰の得物は、かつて彼が打ち上げたもの。


・ジュウベエの師匠

 ジュウベエの回想の中で語られる、彼の剣術の師匠。

 考えるな、感じろ! 的な人物である模様。どこまで弟子に伝わっているかは不明。

 しかし当然ながら剣の腕は超一流。正反対の性分であるが、ジュウベエの父親でもあるようだ。

 山の古寺の坊主とは旧知の仲。


・妖石

 妖の核を成す不思議な鉱物(のようなもの)。

 集めて売ると、高価買い取りしてくれるらしい。

 浄化して使えば万能の資材となる。ある意味作中一番のチートアイテム。

 しかし、これを登場人物の欄で取り上げるのは、如何いかがなものか。


・塩

 大物の妖を討伐した際に発生した大量の塩。

 海サイドでは、妖の残した瘴気や、討伐の際に撒き散らされた油などを浄化するための触媒として使われた。

 問題は、山サイドから運び込まれた大量の塩。大半の者は、気味悪がって近寄ろうともしなかったのだが、噂を聞きつけた、とある都の好事家が、大金を積んで全て引き取っていったらしい。

 そのお代は、今回の妖騒動の被害者救済に充てられたそうである。

 めでたしめでたし。


・妖、術ほか、不思議現象

 何故妖が生まれるのか、であるとか、術の発動原理はどうなっているのか。

 実は諸々の細かい設定は考えてあります。

 しかしながら、それをこの場で語るのは野暮というもの。

 謎は謎を呼び。不思議なことは誰の身にも起こり得るのです。

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