第7話 オデコをデコラティブにする方法

 俺の学校の認識と保護者の認識の違いが凄まじいことがわかった保護者会だった。


 とりあえず保護者の意見を全部聞いて対策を取る、聞いて対策を取るの繰り返しだ。


 途中で意見を書き出して記録する係を急遽派遣してもらいもした。ちなみに鼠精霊人のナナさんだ。


 意見は以下。


・子供達の宿泊施設が見たい→完成したらすぐ招待する。


・子供達が学ぶ内容→文字の書き方、読み方。社会、図工、算数、理科、音楽、剣術、魔法、体育など。


・子供達が食べる物→メニューを一週間ごとに保護者に提示する。肉も野菜もバランス良くする事。


・子供達に何かあったら?→怪我や病気は精霊人か保健室ですぐ対応して保護者にも連絡する。


・子供達の成長が見たい→記録の水晶(この世界の魔法具)で記録したものを帰宅の度に子供達に持たせる。撮影は精霊人がこまめにする。授業参観日を設ける。


・子供達がその日何をしてるか知りたい→日程表を渡す。


・子供達の成績の基準について→先生が話し合ってそれぞれの科目の評定をつける。


・子供達の送迎→学校に登校する時は親が責任持って送る。帰りは精霊人が責任持って送る。精霊人は護衛も含めて三人以上で護衛する。


・『星』持ちにしたい→その子供次第。


 もちろんこちらからも保護者にお願いしたこともある。


 子供の情報だ。


 子供の名前、種族、好きな食べ物、嫌いな食べ物、食べてはいけない、もしくは食べられない物、性格、生活で気をつけていること、寝床はどんな場所が落ち着くか、病歴、アレルギーや持病はあるか…etc。


 とにかく保護者だけでなく子供達の情報がなさ過ぎる。


 それに宿泊施設は学校より入念に作った方がいいだろう。


 『星』持ちにして欲しいという要望は、そんなの知らんわぃ!と言いたかったが、でも本当に知らないんだよ。


 知らない間にオデコがデコラティブになる方法なんて……。


 いっそのことオデコに何かくっつければ……。精霊人とかにすぐバレそうだ。やめよう。


 『星』ってどうやったら出来るんだ?


 異世界にきたらすでにくっついていたから、なんでくっついてるのか知らない。誰か教えてくれないだろうか?


 俺はモテない、運動神経も良くない、イケてないの三拍子揃っていて、…モテないと『星』がつくなら某電気街へ行く友人達も聖人決定だ。


 四つないと聖人になれないのも何か理由があるんだろうか?


 わかりやすければいいものを……某週刊誌みたく、友情、努力、勝利!みたいに、あと○解が出来るとか、剣が出せるとか、天然パーマで二つ名を持ってるとか……。


 あれ?修行すればいいのか?ドラ○ンボールの○仙人様みたいに……。どんな修行だっけな?石を投げて……でも俺が投げても大した飛距離にならない……。


 そうだ!すごい先生を見つければイケるんじゃないか?!


 それこそ必殺技を持ってるような!カメ○メ波とかすごいヤツが出来る人は異世界ならいるだろう!


 俺って冴えてる!


 俺はスキップして小躍りしながら精霊人達に呼びかけた。


「みんな聞いてくれ!すごい先生を探して欲しいんだ!」


 精霊人達はワラワラ集まって来て顔を見合わせた。


「すごい人ってなにポン?」


 狸精霊人のダンさんだ。今日もオシャレなシャツを着ている。俺の着ている物も彼のお手製だ。


「すごい必殺技とか持ってる達人だ!」


「必殺技ってなんだコン?」


 狐精霊人のシノさんだ。彼のご飯は美味い。


「……は、派手で、強力な技かな?」


「それなら精霊人はみんな強力な技使えるコン!」


 そうきたか……あれ?


「じゃあ精霊人には『星』持ちがいっぱいいるのか?」 


「精霊人は精霊コン!根本的に違うコン!僕らは聖人様にお仕えして位が高くなれば大精霊人になれるコン!」


「その大精霊人に先生に来てもらえないのか?」


「大精霊人は精霊界に上がって今度は神様にお仕えするコン。来てもらうのは無理コン」


 おぅふ。簡単に見つかったら、そりゃ今頃『星』持ちがいなくなるようなことはないか……。


 肩を落とす俺に周りは慌てて取り繕った。


「だ、大丈夫プン!ハルキ様が募集してた先生に僕のお友達がやってくれるって返事がきたプン」


 兎精霊人のロロだ。ついでのように苺をくれた。


「やったぁ!社会の先生?それとも魔法?」


「ええ……保健室の先生プン。お医者さんをしてたエルフだプン。ちょっと変わってるけど腕は良いプン」


「エルフ?!」


 キターーーーーー!!異世界と言えばエルフ!!


 エルフと言えばエロ……ゴボゴボ。こ、子供達の教育にはよろしくないが、エルフならなんかイイな!うん!きっとナイスバディな美しい方が来てくれることだろう!そうに違いない!


 俺はスキップして小躍りして、転んだ。


 み、見ないでくれ〜!

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