人助けでレベルアップって、そんなこと俺はしたくないが!やらないといけないようだ

アガベ

第1話 望んでいない異世界転生

ヒガシカワ キョウ 25歳独身は

週末金曜日の仕事を終え、今週は忙しく疲れていたから自炊する気は無く。

居酒屋で、晩ごはんを食べ1杯飲んでから

家に帰る途中青信号に変わって

横断歩道を渡ろうしたら、凄い勢いで減速もせずにトラックが、横断歩道に突っ込んで

来て避けた拍子に頭から倒れ


「う、何だよあり得ないだろ」

って独り言を言って意識が途絶えた。


どれ位時間が過ぎただろう、意識が戻って

きた。

「ここは何処だ、何も無いところだな」

とボソボソと独り言を言って

身体を起こし立ち上がり、自分の身体を確認する。

頭、手、足の感覚が無く水の中にいる様な感覚だ

確かトラックに、轢かれそうになり頭から

倒れ意識を、失った事は覚えている。

あれだけの衝撃受けたのに、頭に痛みも無く

怪我をしてる様子もないようだ。

もしかするとこの不思議な感覚

周りに何も無く誰も居ない空間、世界


「ひょっとして、俺死んだんじゃないか。」

と気づいたら口にしていた。

言い終えた同時に、後ろから声が

聞こえた。


「まだ死んではないけど、君の居た世界で

肉体は植物人間状態でこのままの状態だと

今の精神体も、後一日で消えて無くなる。」

大きい声ではないが、はっきりと誰かの声が聞こえた。

後ろを振り返えると、自分と同い年位の

男が立っていた。

頭に黒い冠、右手に笏、白い着物神社の

宮司の様な格好していて

厳かな雰囲気を醸し出していた。


「はっはっは、色々と考えが錯綜してるようだね。」

男は心を読んでいるかの様に、話し出し

俺の心臓はドキドキした。


「なんでって、思っているんだろう、心はある

程度読めるが全ては分からないよ。」

では何故だ、俺はよく周りから無表情で、何を考えているか分からないと言われるのに。

「目の動きだよ。目が泳いていたからね」

目は口ほどに、物を言うからなと、思い頷き納得した。


「しかしヒガシカワキョウ、君は人と会話

するのが苦手な様だな。イチローから聞いてた以上に駄目だな。その様子だと現し世の社会じゃ生き辛かったろう」

男は指摘されたくない事を、早口で捲し立てた。

少し腹は立ったが、周りから言われ慣れてる事もあり気にならなかった。

それよりもイチローと言う名前が引っ掛かった。

「イチロー?って母方の死んだ爺ちゃんの

名前なんだが、知り合いなのか?」

と気になった事を、初対面の相手に挨拶もせずに聞いていた。


「やっと話したと思ったら、挨拶も無しに

質問かい、君の性格を知っていてわざと

腹が立つ様な物言いをしたから、まあお互い様かな、そうでもしないと話をしてくれないからね。」

自分の予想が当たって声を弾ませながら、首を横に振り呆れた様な素振りで、目の前の男は話しだした。

こいつは性格悪いな、人の事はあまりいえないが、


「私は寛容だからね、今思った事、多少の

非礼も許そう、質問に答えてあげるよ。 

イチローとは知り合いだね偶に将棋を指す中だ、君の事が心配で、死後常世に行かず現し世の狭間に霊体を留めていたのさ。」

今の言葉聞いてさっきまでの疑問が解決した。

しかし、新たな2.3疑問が出てきたから、男に尋ねた。


「爺ちゃんはまだ此処にいるのか?」

男は笏で自分の左手を叩きながら答えた


「もう此処には居ない」

と短く答えた。

口煩い爺ちゃんだったから、そんなに会いたい訳では無いが、留まっていた理由位聞きたかったんだが、まあ良いか。


「では次に答えてもらいたい、俺はこれから常世に行くのか?」

「常世には行かないよ、さっき言ったじゃないか、現し世で君は植物人間状態だと、まだ精神は死んでいないのさ、精神だけ此処にいるって事なんだよ。」

「じゃあ俺はこれから、どうなるんだ?」


笏で俺を指しながら男は答える。

「君の寿命はまだ尽きていない、だが肉体は植物人間状態だ、今の状態では現し世には戻れない、元の現し世に戻れる様に、力を尽くすから私の願いを聞いてはもらえないか?」

願いを聞いて貰う態度では無いが、男は願いを聞いてくれと俺に言ってきた。


「内容次第だな、知っているだろうが、

俺に出来る事は、そんなに無いぞ」

心を読んだのか男は、少し下手にでてきた。

「私の不手際で、現し世との並行異世界が、危険な状態になっておりまして、貴方様に

並行異世界に行ってもらって、世界を救う私の手助けをお願いできませんか?」

バッバっと手の平が高速で返されたな。

悪い気はしないが、


「異世界に行けって!凄く面倒な事だし、行きたくないぞ。」

少し間をおいて男は優しい語り口で


「まあまあ、聞いて下さいよ。貴方はこの

ままだと幽世や、常世には行けず現し世に

油虫として転生して、生きていく事に

なりますよ。

だったら異世界に行って、異世界を救い善行を積んで元の身体に戻る方が、良いじゃないですか?」

と満面の笑みで語った。


「はっ!」

思わず興奮して声がでてしまった。

頭が混乱する

何だって!油虫に転生するか、異世界転生の

2択だと!それって2択じゃねえだろ、

1択じゃねえか!!

そもそも何で幽世、常世にも

行けねえんだよ。


「頭が混乱してるところ悪いけど、疑問答えるよ。」

男はまた心を読んだのか喋りかけてきた。

「簡潔に話すと、善行が足り無い、誰かが困っているのを、知りながら無視をする。

他人に興味が無く、他者との交流が無い

親よりも先に死ぬ等、善行が足りないから

油虫にしか転生出来ないんだよ。」


何だよそれ!自分が良い人だとは

思って無かったが、そこまで駄目だとは

なんだよ死にたくなるな。

いや半分以上死んでるのか?

少し悩んだが仕方無い。

「人が悪いなアンタ、選択肢他にねえだろ、解ったよ、異世界転生してやるよ。」


男は笑顔で2回頷き

「いやぁ!引き受けてくれて助かるよ。

あ、まあ薄々分かっているとは思うけど、

人ではなく位はそんなに高くはないけど

神だから!人が悪いっていうのは違うじゃないかい?」

うわっコイツ!引き受けた矢先、口調も雰囲気も変わった!

しかも揚げ足とってきやがった。

顔がウザすぎる。

気分は最悪だが異世界転生するしかないな。

自称神は急いで何か準備を始めながら

話しだした。 


「本当に助かるよ、君なら引き受けてくれると思ったよ。

身体は異世界を救ったら、同じ時間軸に身体に戻れる様にしとく、後向こうには

ナビゲーターがいるから

その人に、異世界の事は聞いてくれ

言葉も文字理解出来る様になってるし

私も何かあったら、手助けをするから

心配しないでくれ。」

早口で捲し立てながら準備終わらせた様だ。


「では準備は良いかい?善は急げっていうからね」

色々とツッコミたいところはあるが

コイツといると気疲れするから

サッサと転送して貰おう。

「時間も無いから転送してくれ。」

自称神は少し呆気にとられた様だった。

「騙すような事をして、急かしたから

ゴネられると思っていたんだけど、

随分とアッサリしたもんだね。」


「神様が解り易く、説明してくれたからな

悩む事は無かったよ。」

いい様にヤラれたからな、少しの皮肉位は

言いたくもなる。

言ったところで、どうなるものでは無いが

少し位は反応が欲しかったが

奴は俺の皮肉を涼しい顔で、アッサリ受け流した。

「では、頼んだぞヒガシカワ キョウ、君に

並行異世界の未来は託した!!」


その瞬間時空が歪だ、天に吸い寄せられ、

身体の感覚が、無くなっていくのが分かる。

そして完全に感覚無くなって、異世界へと旅立った。




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