第28話 疾風・一気呵成
丘の向こうから
そしてそれは相手の
送り出した
実に攻撃的な
マシャード大将本隊はすでに金属の打ち合う音のするほうへと回頭している。
しかし数でまさり勢いよく丘を下ってくるわが軍にすっかり腰が引けてしまったようだ。
マシャード大将は
王国軍はなだれをうってマシャード大将本隊へ
とても一万対七千五百とは思えないほど一方的な戦いぶりだ。
あっけないほどあっさりとマシャード大将本隊は全滅した。
時間に余裕があると判断したカイは
生存者が帝国領へあらかた逃げ
マシャード分隊に向けて突き進んでいく。
帝国マシャード分隊もこちらに向きを変えていた。
カイがガリウスに細かな戦術を授けて一気に
分隊はマシャード大将本隊同様
“鉄壁”のふたつ名で知られるガリウスだが、
効率よく敵を倒しながら同時に
戦力の
マシャード分隊を
それでもガリウスが繰り入れた敵小隊を含めて総数は九千五百強を保っている。
三度の戦いを
対して帝国軍の一部隊を
最後に残ったヒューイット分隊は、すでにヒューイット大将本隊のいた谷まで兵を進めていた。
そこへ王国軍が大挙して目の前の丘を乗り越えて突き進む。
七千五百の兵が二千五百の兵に短時間でこうまでやられたとは信じられなかったはずだ。
王国軍の疲労も極限に達してはいるが、
勢いの差は歴然だ。
勝敗は一瞬で決した。
カイの指示を聞いた
そんな中で、俺は逃走する帝国兵を意図して見過ごしていた。
カイは察したようだったが、あえて見ないふりを決め込んでくれている。
これは軍務長官としての判断であり、たとえ“軍師”だとしても侵すべからざる領域であったはずだ。
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