第22話 軍師・軍略の教師
「おふた方が
「帝国軍は今回、一カ月という短い期間で再出撃してきた。おそらく次も短い期間で攻めてくるだろう。今から
「だが、あなたの話しぶりからするに、あなた自身はすでに
カイは目を見開くとともに「しまった」という顔をした。
つい調子に乗ってぺらぺらしゃべっていたことを
これで抜け目のなさと
カイという
しばし時を
「その前に、現在の王国と帝国の兵数を知りたい」
カイの
「現在王国軍は
「それを踏まえたうえで、帝国軍が次にどれだけの兵数を動員してくると考える?」
「個人の見解、いや軍務長官としての推測だが、今回と同じ三万は連れてくるだろう」
それを聞いた
すると
その矢先、ガバッと
「帝国軍の大将は三人で構成されているはずだ。今回の総大将だったクレイドの素性はわかるか」
「クレイドは先の戦いで騎馬中隊長だったが、わが軍の
「では他の大将の素性は」
「戦場で受けた印象と戦史からの知識だが、ひとりは中央突破を好むヒューイット大将。もうひとりはV字型の
聞き終わったカイは
「帝国軍で恐るべきはクレイド大将ただひとりのようだ。ならば次に帝国が攻めてきても守り抜けよう。おそらく、いや確実に次の
「なぜですか?」
ガリウスはその真意を問うた。
帝国最強の大将が
「ヒューイット、マシャード両大将が力押しを好むということは、その気性も激しいのではないかと
この発言は衝撃的だった。
「一万対三万でも勝てるとおっしゃるのか?」
軍務長官に就任してから一週間で
それでも王国を守り抜く
このカイという男は、短時間のやりとりのうちにそれを
「カイ殿、重ねてお願いしたい。私に
カイの両手をとり、まっすぐな視線をその
まぶたを閉じたカイは天を
競馬師の道を
しかし次の戦いで王国が勝たなければ、競馬などにうつつを抜かしてはいられなくなるだろう。
カイが味方についても
だがヒューイット大将、マシャード大将であれば勝つ見込みはじゅうぶんにある、とカイは答えたのだ。
やがて吹っきれた表情を
「わかりました。どこまでできるか保証はできませんが、教師役をお引き受けしましょう」
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