第17話 軍師・誓いの責任
「なぜそちではダメなのか?」
国王陛下は首を
軍に入隊してわかったのだが、誰もが将軍や軍務長官になることを望んでいるのだ。
実際ランドル国王陛下はそういう人物ばかり見てきたはずである。
アマム将軍やタルカス軍務長官補佐などはその代表格だったろう。
今回現職のカートリンク軍務長官を除く戦死した六将軍はいずれも軍務長官の座を競っていたのだ。
それが王国軍が
なぜお前ではダメなのか。
国王陛下からそう問われたので
「私は本心から
このことを口にするとき、つねに
ガリウスに対しても同様だった。
「
将軍昇格式典での言葉をはっきりと思い出した。
「私はできるかぎり人を殺さない将軍を目指します」
あれは
国王陛下がこれで
「将軍昇格の際、そちはこう申したな。勝利とは相手を作戦
「はい、陛下。確かに申し上げました」
ランドル陛下は俺を
「
頭を上げて老王陛下の顔を
「苦境に立つわが国が、もしこのまま
陛下の言葉に
「
それでも
隣でこれを見ていたガリウスはにじり寄ってきて、
「これは僕の仕事じゃない。ミゲル、君には自分が国王陛下へお
と決意を
引き受けるべきなのだろうか。
確かに国王陛下がおっしゃること、ガリウスの言うことにも
だが、将軍の覚悟を述べたまでであり、軍務長官として全軍を率いてまでの覚悟ではなかったのだ。
戦場で最大の権限を振るいながら、誓いを果たすのは困難ではないか。
そもそも、クレイドが率いる三万に対して、戦い慣れしていない一万でどうやって
その
しかし揺るぎのない視線で
ここで
軍務長官職を
とくにナラージャあたりが積極的に
あいつは妙に
だから小隊長の頃から
なにより、国王陛下が玉座から下りてまで
この光景を見た史官は、今回のことを歴史にどう記すのであろうか。
「将軍のミゲルが、ランドル国王陛下の
仮にガリウスが軍務長官となっても、必ずしもクレイドを倒せるとはかぎらないのだ。
そして
あいつがそばにいれば、クレイドだけでも
あいつは
万が一の勝ち目があるとすれば、ナラージャが言ったように、彼自身がクレイドを倒すことだけだろう。
帝国軍最強の大将が
次戦のたった一回の
「わかりました。軍務長官の
と告げた。
それを聞いてホッとしたのか、ランドル国王陛下はゆっくりと玉座へ戻っていった。
「カートリンクら
そう言うと老王陛下はゆっくりと大きく息を吐き出した。
おそらく彼方へと思いを
良き友であり良き臣下であった男のことを……。
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