第13話 死闘・戦列の崩壊
王国軍の先頭を走る騎馬兵と前衛・中衛の軽装歩兵から
さらに矢の雨より外を前衛部隊所属の戦車隊が
クレイド大将は王国軍の進撃が繰り広げられていても
帝国軍が目前に
「全軍突撃!」
にわかに起こった帝国軍の
帝国軍の重装歩兵大隊の
王国軍の
「第一段階開始!」
その声が聞こえたとき、思いもしなかった異変が眼前で繰り広げられた。
クレイドの号令により、帝国軍の中衛を務めた左右の軽装歩兵大隊と、後衛を務めた左右の騎馬中隊が、重装歩兵大隊と王国軍前衛との衝突の脇に
王国軍前衛の四将軍は正面で
その動きに合わせたかのごとく天空では
「第二段階開始!」
なんと左右に展開されていた帝国軍の軽装歩兵大隊と騎馬中隊が、王国軍前衛と中衛の側面へ
これまで正面の敵に戦力を集中させていたアマムの野郎とタクラム将軍の大隊は思わぬ正面と側面からの
そして、
「第三段階開始!」
の合図とともに帝国軍は全部隊が突撃を開始する。
これにより王国軍の重厚な進軍は完全に食い止められてしまった。
正面と左右からの強力な
それでも前衛四将軍は正面に
やにわに雨が強く降りだす。
降りしきる雨の中、わが軍の前衛と中衛の様子を後方で注視していたじいさんいやカートリンク軍務長官
「まさか、このような意図があったとは……」
「カートリンク
ガリウスが問いかけてもじいさんはすぐに反応できなかった。
打開策を模索しているようだが、
味方がこれだけ密集させられていると転進しようにも進路がない。
前衛と中衛は帝国軍の
「なにか反撃の手段はないのか……。せめて中央を突破してアダマス将軍がクレイド大将と
カートリンク
そして思い出したように
「二人とも、なにか策はないか」
「このままではなにもできないまま前衛と中衛はたちどころに撃破されるだけでしょう。ここは一度
しとどに濡れた顔を
「確かにそれしかないようだな」
圧倒的な
とくに半包囲の最も敵戦力が集中する前衛部隊は正面を帝国軍の重装歩兵に、側面を軽装歩兵に、中衛部隊は側面を騎馬兵に行く手を阻まれて、まったく身動きがとれないでいる。
この態勢ではとてもクレイドの
このまま戦闘が続いても兵数をただ打ち減らされるだけで勝機は見出せないだろう。
「アマム将軍、討ち取ったり!」
「タクラム将軍、討ち取ったり!」
二将軍戦死の報が耳に入り、じいさんは天を
そして、
「
カートリンク軍務長官
「私とガリウス将軍とで帝国軍左右の軽装歩兵大隊と騎馬中隊を背後から
「それしかないな。急いで取りかかってくれ!」
カートリンク
さしもの
「ガリウス将軍、
「ミゲル将軍、
残されたカートリンク長官
そして
「全軍退却だ!」
しかし、勢いに乗る帝国軍の追撃は
今はできるだけ残兵を逃がそうと、カートリンク長官
そんな中で
「アダマス将軍、討ち取ったり!」
「ソフォス将軍、討ち取ったり!」
これでクレイドと渡りあえる将軍がいなくなった。
あれだけ身動きがとれなくなっては、いかに個人の
そこまで考えを進めたとき、ひとつの
いや、
「イングス将軍、討ち取ったり!」
「トロミノ将軍、討ち取ったり!」
すぐさまナラージャとラフェルを呼び寄せて
「ナラージャ中隊長。貴官は
「大将、ここでふたつの中隊を欠くと残りで帝国部隊の足は止められんが、それでもよいのか?」
「この
「了解した。すぐにクレイドを
「ミゲル閣下、必ずまたお会いいたしましょう。それまでご無事で」
「ナラージャ中隊、ラフェル分隊は俺に続け!
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