第9話 昇格・軍務会合
軍務長官執務室に相次いで将軍が
まず
あの宝石はすべて国王陛下からの
アマムの野郎とは反りが合わないようだが、かといってとくにじいさんを支持しているわけでもない。
もしタクラム将軍が参加していれば、タリエリ将軍は前戦に参加せず、俺やガリウスも戦場にはいなかっただろう。
それが王国軍にとって吉なのか
次に白髪の混じった黒い角刈りの“武神”アダマス将軍が現れた。
その
反カートリンク派の将軍だが前戦は孫娘が出産するという理由で参加しなかった。
もし参加していれば、クレイドの進撃を未然に食い止めて、王国軍の大勝利は確実だったと噂されている。
それほど王国軍では
しかしわが隊の“無敵”のナラージャに言わせれば、アダマス将軍などたいした技量ではないのだそうだ。
単に位が高いせいで、手合わせする相手が
彼が倒したエビーナ大将もそのような人物だったらしい。
まぁクレイドが
次に
反カートリンク派のアダマス将軍と“肉まんじゅう”とは一線を引いているものの、とくにカートリンク派というわけでもないのはタクラム将軍と同様だ。
しかし率いる兵はつねに戦意を高く保っており、最前線で粘り強く戦って敵の
ただ近視眼的なところもあり、眼前の敵を疑いなく攻撃して手痛く反撃されもした。
最後に遅れてアマム将軍、前戦の軍務長官“肉まんじゅう”が姿を現した。
権力欲が強く、かつて反カートリンク派の将軍たちに
しかし
すでに反カートリンク派で生き残っているのはアダマス将軍と彼くらいなものだ。
もしカートリンク派のタリエリ将軍が参加しなければ、俺やガリウスが戦場にはいなかったため、クレイドに討ち取られていたかもしれない。
そのほうが王国軍のためにはよかったのではないか。
だが、そうなったら
「アマム将軍がお見えになった。これで八名全員
じいさん、いやカートリンク軍務長官
「あのクレイドが大将か。帝国もよほどの人材難と見える。それなら
「そうじゃそうじゃ。先月負けたくせに今月も攻めて来ようなどと
イングス将軍とトロミノ将軍がじいさんと調子を合わせて話を先へ進める。
「アマム将軍。アダマス将軍を軍務長官にしたら、
「それでよいではないか。なにせ、われらが手をくださずとも勝ち
ガリウスが割って入った。
「クレイド新大将の用兵手腕がまだわかりません。もし
「ひよっこは黙っとれ!」
“肉まんじゅう”が語気を
「そもそも前の
いささか気の弱い面のあるガリウスは言葉を飲み込んでしまった。
アマムの野郎は口先だけは
だから前戦で遅れをとるのだ。
「ガリウス将軍は
じいさんがガリウスのフォローにまわる。
「軍務長官
「そうしてキサマが
その言葉に腹が立ったものの、じいさんとガリウスの手前ムキにならず聞き流した。
「まぁ若い者はまだ実戦で大隊を指揮した経験はございませんので、勇み足の発言はよくあることです。私も将軍になりたての頃は
トロミノ将軍が助け
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