傷を負った殺人鬼

葉月

第1話 

「許してくれ!」

廃屋の中に、叫にも似た男の声が響き渡った。足元は血に濡れていた。

「人を殺しておいて許してくれはないだろ」

俺は、怒りに任せて怒鳴りつけた。俺は男にに向かってナイフを振りかざした。男は叫びながら言った。

「人間のすることじゃねぇ」

何を言っている。お前だってあの二人に酷いことをしただろ。たしかに俺はあの事件以来人間ではなくなった。でも、お前と同じじゃない。

「一人目」

俺は、男が死んだのを確認してそう言った。あの事件以来、俺は人間ではなくなり、殺人鬼として生きていくことを決めた。

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傷を負った殺人鬼 葉月 @hazy_no

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