ストラトスフィア

@therion29

プロローグ。神話と星座

神話とはいったい何なんだろう?

太陽と月、地と海、人間と生物。 そして、空と星が存在する世界に。

それぞれの国,または各民族と宗教を通じて語り継がれる「神の物語」。

神が存在するかもしれないこの世界にとって,まるでおとぎ話のような「伝説(物語)」。

神はその世界にどのように生まれたのか、神の名は何か、そして自分より低い存在の人間をどのように治めたのか。

今、神は存在するのか? それとも彼らの被造物である化身が存在するのか。 この世界において誰も知らないことだから、神話を知っていても誰もが「神や化身は存在しない」と思っているのだろう。

なら──

空の上にある星々を指す言葉。

つまり、「星座」はどうして存在するのか。

星が見える夜空を眺める者たちが、実際に存在する生物たちの姿を真似て作られた「聖君」。

しかし、神がいなければ、なぜ神話に存在する竜のような想像の動物や伝説の人物の星座が存在するのだろうか。

そして、どうしてその生物の星座のうち、13の星座には「神」にまつわる物語がある星座があるのだろうか?

数千年、数万年前に存在したその神話(物語)が、どうして人々に伝えられるのだろうか。

存在しない彼らの話はどうやって存在できるのか。

その「真実(物語)」が分かった「人間」と「生物」はまだ存在しない。

しかし──

まもなくこの世界に隠された物語のページは空の上で再び移り始めるだろう。


◇ ◇ ◇ ◆ ◇ ◇ ◇


昔、誰かが僕のそばで読んでくれた絵本の物話──

人々が住んでいる世界の空の上に、神と天使たちが住んでいる世界があった。

彼らの中で多くの人々に寵愛を受け、大きくて雄大な翼を持った「黒い天使」。

その翼で広い空を飛びながら、神の使いはいつも上手で、悪者を懲らしめたものだ。

そんなある日、暗い夜空が広がる空で、お使いを終えて帰ってくるところだった黒い天使は、ある少女が泣いている声を聞いた。

少女の声が聞こえてきたのは空と地ではなく、暗い夜を照らしている「大きな星」だった。

黒い天使はそこに着くとは思わず、翼をはためかせ大きな星の上に着いた時、生まれて初めて見る黒い天使は疑った。

誰もいないはずなのに、どうしてこんな所で泣いているのだろう。

しかし、大きな星の上に誰かいた。

星のように美しい服に黒い天使の灰色の翼とは全く違うほど美しい月光の翼を持った女の子。

会ったこともないのに、一人泣いている女の子の姿を見た黒い天使は、彼女に何と言えばいいか悩んだ。

結局、黒い天使は女の子にゆっくり近づいて話しかけた。

──ねえ、どうして泣いているの?

自分一人でいたので、誰かが現れれば誰でも驚いたはずなのに、女の子は泣き止まなかったが、泣き虫は声で答えた。

──寂しい、とても寂しい。

そうだった。彼女は自分がどうしてこんなところに一人で生まれて、一人でこんなところにいなければならないのか。

女の子は長い年月の間、わけがわからないと泣いていた。

黒い天使は、自分がなぜ生まれたのかわからない。 けれども、女の子は、自分と唯一違うものは、ひとりでいたのだ。

黒い天使は女の子が言うその理由に答えることができなかった。 しかし──

彼女に近寄って, そっと 彼女の目からこぼれる手で涙をふきながら言う。

──それでは、僕がそばにいてあげるよ。

黒い天使のその言葉に女の子はしばらく泣き止み、うつむいていた顔をゆっくり上げて彼を見つめる。

──本当?

そうたずねた女の子の言葉に、黒い天使は彼女の瞳を見合わせ、素直で心のこもった声で答える。

──うん、約束するよ。

黒い天使と女の子がいる大きな星の周辺をめぐる小さな星たちがいっぱいの空の下で二人の出会いはこうして始まった──。

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