第3話 人々の癒しに

 そのシステムを導入して以来、ペットショップの収入は右肩上がり。

 

 時に、友人同士で会話しているうちに、『オンライン飼い主』で同じ犬に対し飼い主登録をしていた顧客同士という事が分かり、その犬の名を1人はジョン呼び、もう1人はポチ呼びしていたなどの楽しいエピソードもコメント欄を賑わせていた。


 解雇した女性店員は、この不況で、次の職が決まってなかったのを知り、戻って来てもらった。

 焦燥感の滲み出ている店長よりも当然、かなり評判が良く、彼女の人柄目当てに訪れる客も増えた。


 需要が増えると、複数の顧客が同時に同じペットにオンラインにて接するようになった。

 ペットが仲立ちとなり、彼らはオンライン上で会話を楽しむのみならず、そこから結婚に至ったカップルも生まれた。


 オンラインであらゆる事が可能となっている今だからこそ、生き残りをかけての事業が大当たりし、自身の首が繋がった。

 それもひとえに、店内の仕事仲間であるペット達が助っ人となり自分に協力してくれたおかげと感謝し、長引く伝染病やウィルスとの戦いの中、自分達の事業が人々の癒しとなるよう続けて行けたらと願った。


    【 完 】

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オンライン飼い主 ゆりえる @yurieru

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