・
ハンクに連れられて礼拝堂から出るとそこには草花が生い茂る噴水のある庭が広がっていた。
『ハル、君は今から記憶を取り戻してもらう。君の頭の中には今何もない状態なんだ。
覚えてることもないし誰かとの思い出もない、何一つない。』
確かに、私の覚えていることは一切ない。
でも、あの声は‥
いやそんなことよりさ
「‥あの、私死んでるんですか?」
『ん?死んでなかったら逆に天国なんか来れないでしょ?笑』
ハンクは私を振り返りニヤリと笑った。
『生前の罪さ。ハルの記憶がないのは。』
‥罪?
『本当なら死んだものは記憶を全て無くして礼拝堂で神のお告げを聞いて来世に行くんだけどね。』
「ちょっと待ってください。
私、死んだのも分かってないし何者かも分かってないのに。展開が早すぎると思うんですけど」
『仕方ない、それも罰だよ』
ハンクはクスリとも笑わなかった。
庭をぬけると赤い鳥居が連なっていた。
私とハンクはその長い鳥居の道を通り抜けるとそこには
「ビル街‥!?」
まるで東京のオフィス街のようなビルが経ち望んでいた。
ビルに入るとスーツを着たサラリーマンがごろごろといる、、いや待て羽が生えてるな
もしかして、天使?
羽のついたサラリーマンが一人近づいてきて、
(ハンク様、おかえりなさいませ)
『おう、今帰った。千歳、あとは頼む』
(かしこまりました)
千歳と呼ばれたその男の人がこちらを見ると静かに微笑んだ。
(このこ、例の"自殺"のこですか)
華と散る契約を ハルノ @lie_story
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