華と散る契約を
ハルノ
天国の礼拝堂にて
__ハル、目を覚まして。
貴方がしないといけないことは何?
思い出して、ハル、お願い。
頭の中に響く声。誰の声なのかは分からないが、ずっと聞いてきたような気がしてならない。
「はっ‥!!!」
彼女が目を開けると煌びやかな絵画が目に飛び込んできた。起きあがろうとするが彼女は酷い頭痛と目眩を起こしていた。
「痛っ‥っ‥ここは、一体‥」
あたりを見回すと蝋燭を持つ白装束の人々、パイプオルガンに神父、光が照りつけるカラフルな窓ガラスに古い木造建築、、
‥教会?
重い体を起き上がらせて立つと彼女は自分が礼拝堂のど真ん中で寝ていたことに気づいた。何故こんなところに横たわっていたのだろうか。
その時、コツコツと革靴のかかとが鳴る音が背後から聞こえた。
『やっと目を覚ましたか、ハル』
振り返るとスーツを着た白髪の男性が立っていた。
「‥あの、ここは」
『ああ、ここは天国の礼拝堂だ。ほれみろ、祈りを捧げてる奴らがいるだろう。』
天国の礼拝堂‥?一体この人は何を言ってるんだ?
『ああ、ごめんなハル。頭混乱してるよな、今歓迎してやるよ』
「‥へ?」
ドーーーーーーーン
急に響き出すパイプオルガンの音。なんだこの聴いたことのない音は。心臓に訴えてくるような音響だ。
『ようこそ、ハル。天国の礼拝堂へ!
君は選ばれし死者なんだ、存分に喜べ!』
白髪の男性が笑顔でこちらを微笑む。
窓から光が差し込みその男性の顔を見ると、目が光っていた。綺麗なオッドアイ。そしてなんと整った顔立ちだろう、まだ20代前半なのではないだろうか。
『俺はここの指揮官長を務めているハンクだ。よろしくな、ハル』
手を差し出すハンク。
状況を飲み込めない私は頭痛と目眩でぶっ倒れそうだ。
『おっと、ぶっ倒れるのはまだはやいぞ?
これからお前に見せないといけないものも知っておいて欲しいことも沢山あるんだからな。』
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