7.おしゃべり好きなウサギ

とあるもりのなか。ここはいろいろな動物どうぶつたちがいます。ほら、ほらあのをよーくてごらん。真っ白まっしろなピョンとえたながみみ、クリッとしたまんまる、そしてちいさいくちからチラッとをのぞかせています。そう、ウサギさんです。



「うーん、どうしようかな?」




あっ。ウサギさんがどこかにかってはししましたよ。おいかけてみましょう。おや、ウサギさんのまえだれかいますよ。





「タヌキくん、おはよう‼」



「ん?ああ、ウサギさんか。おはよう。」



今日きょうはあついね。タヌキくんはどこかおでかけ?」



「うん、水浴みずあびに行こうとおもってたんだ。ウサギさんは?」



「ひまだったからおさんぽしてたの。」

「じゃあ、いっしょに水浴みずあびにでもいく?きもちいいと思うよ。とくにこんな日は。」

「うーん。いま気分きぶんじゃないかな。でも、さそってくれてありがとう。」

「そっか。じゃあ、また今度こんどいっしょにいこうね。たのしみにしてるよ。」



ウサギさんはタヌキさんのさそいをことわったみたいです。そしてまたウサギさんははししました。今度こんどはウサギさんよりちいさいおともだちがまえにいます。ウサギさんはきづくのかな。


「おはよう‼リスくん。」

「えっ。あ、ああ、ウサギさんか。ウサギさんはいつも元気げんきでいいね。」

「ふふふっ。それがとりえですから。」

「それにしても、よくワタシをつけられたね。こんなにちいさいのに。」

「ん?そんなにふしぎなことかな。ちいさくてもわかるよ、リスくんはリスくんだもん。」

「こたえになってないよ、ウサギさん。・・・あっ、まずい。はなしかけてくれたのにごめん。これから用事ようじがあるんだった。またね。」

「そっか。それはざんねん。またね。」



リスさんにはなしかけたけど、リスさんは用事ようじがあるようで、そのからっていきます。それでも、ウサギさんはにせず、またはししました。おや、今度こんどはフサフサのしっぽをしたともだちがいますよ。


「キツネくん。おはよう‼ところで何してるの?」

「なんだ、ウサギか。みりゃわかるだろ。仕事しごとだよ。仕事しごと。」

大変たいへんそうだね。手伝てつだおうか?」

「いい、いい。それより、そこどけてくんねぇか。」

「あっ、ごめんね。じゃまになりそうだからワタシはいくね。」

「ん?そうか。今度こんど仕事しごとないとき、あそぼうな。」

「うん、またね。」


キツネさんにおいかえされたようにえましたが、ウサギさんはそれでもにせずはりします。それにしても、ウサギさんはともだちがおおいですね。そんなことをおもっているとまたともだちがいたみたいです。その子はツンっととがったつめとギザギザしたを持っています。ちょっと待って、ウサギさん。さすがのウサギさんでも・・・



「オオカミくん。おはよう‼」

「またおまえか。かえった、かえった。オレはおまえとはなすはない。」

「そんなかなしいこといわないでよ。それとも、なにか用事ようじあるの?」

「ん?あ、ああ。あるぞ。ねるのにいそがしいんだ。だからかえれ。」

「え~。それってようじあるっていうの?わかった。はなさなくてもいいよ。ワタシはここでひとりごといっているだけだから。」

「けっ、かってにしろ。」

「ふふふっ、そうする。あのね、昨日きのうこんなことがあったんだ。・・・」




そうですよね、めつけちゃいけないですよね。ウサギさんにきづかされました。それにしても、ウサギさんはすごいですね。すぐには無理かもしれないけど、ウサギさんみたいになりたいですね。いつかきっと・・・

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