ずっとそのままではいられない
長く生きていると
拠り所はいなくなる
環境が変わっていけば
心のあり様も変化する
月日が流れていくうちに
安心だと思っていたものが
流されて小さくなって
消えたとしても
私は
私たちは
泳いで──
新吉様の作風は柔らかくて味わい深くて
読んだ人の心に残る余韻があります
今回はその余韻が大きく、長く残ります
今は辛いけど
辛抱強く生き続けていれば
なんとかなるだろう
そう思っていたのに
足場が崩れていくような感覚
大人たちは諦めてしまった世界
でもこの物語が絶望的ではないのは
彼女がある選択をとってくれたから
すごく重くて簡単にはいかない覚悟
どうかこの決意までなくなりませんように