おじさんと僕

バブみ道日丿宮組

お題:官能的なおっさん 制限時間:15分

おじさんと僕

「ねぇ、おじさん」

「なんだい」

「いったいいつまで僕の部屋にいる気だい? そろそろ制服から着替えたいと思うの」

 おじさんは唸り声をあげると、

「気にしなくていいよ」

「いや僕が気にするから。一応女の子ですし?」

 覗かれる趣味はないけど、やたらおじさんは僕を見てるときが多い。

 家族系列でいえば、父様の兄様となるわけだから他人というわけじゃない。他人に素肌を見せるわけではないから問題なくはないかもしれなくもないわけだが、問題だろう。

「ほら、出てって」

「お、おう、押さなくたっていいだろう? お風呂も入ったことあるんだから今更なんだ? 恥ずかしいのか?」

 ええいうるさい。追い出して鍵を閉めればもう大丈夫だ。

「恥ずかしさがない乙女なんていない。そんなのはただの痴女だ。おじさんは僕を痴女かなにかと間違えてるのかい?」

「いや、そんなことはないさ。でも、成長した姿もおじさんとしては保管しておきたいからね」

 はぁ……ため息が尽きない。

 毎日毎日どうしてこうも官能的な視線を僕に向けてくるのだろう。

「……」

 姿見をしてもそれほど女性らしさはない。むしろ幼いぐらいだ。整列しても前から数えたほうがはやい。発育は微妙なところだ。

 姉様が立派なものをお持ちになってるから、そのうち僕だって同じになると思う。

 官能的って考えると姉様のが目の保養になるじゃないか?

 まぁ……考えても埒が明かないと、制服を脱ぎ始めると、

「……ん」

 ドア越しでも視線を感じる。

 まさか監視カメラとか仕掛けられてはいないだろうか。そんなことまでも最近では思うようになってきたぐらいだ。でも、そうすると廊下で待機してるというのもおかしな話だ。

 母様に相談してもしばらくしたら飽きるでしょの一言で取り繕ってくれない。

 姉様はもう少ししたら大学に入るから、そしたら一緒に暮らそうって話を持ち出してくれた。この話は家族会議でも上がって、なぜかおじさんが反対するというおかしな時間を体験した。

「はぁ……」

 この暮らしもあと数ヶ月我慢すればいい。

 そう……おじさんからはもうちょっとで離れられる。

 制服を脱ぎ、私服に着替えパソコンを開く。

「……」

 姉様にもらった指紋吹きをかけてみると、新しい指紋はなかった。

 さすがに物理的にノートPCに錠を何個もかけてあるから開けれなかったかな。

 前は頻繁に開けてた感じがしたけど、セキュリティーは突破できなかったみたい。

 そこが父様とおじさんの違いかな。

 なんたって父様の会社のセキュリティーは世界一のシェアを誇るだもの。おじさんみたいな怪しい仕事じゃ突破できない。

「ふふふ」

 そう思うと、悔しそうなおじさんの顔が浮かんできて顔が緩んでしまう。

「今日は遊んでくれないのかい?」

「おじさんはもうすぐ出社する時間でしょ? そんなことしてる暇はないでしょ」

 さすがに何年も一緒にいるんだ。お互いの時間は把握済み。

「そうだな。今日は残念だけど、明日は遊ぼうな」

 廊下を歩く音が遠ざかってく。

「はぁ……」

 また明日も見られそうになるのか……。

 苦悩の日々はまだ終わりそうもない。

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おじさんと僕 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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