第六話 骨をここに埋めてあげる

地面に着地し、軽い体を地面に下ろす。


「魔法ごと消すなら飛ぶ必要はないはずだ。」


「僕がしたかったんだよ。いいじゃないか。

とやかく言われる筋合いはないね。」


渾身の澄まし顔を見せながら、理不尽なことをいけしゃあしゃあと述べる。


さて、骨が折れる相手であることは間違い無いね。


「アイリスは城に戻って」


「う、うん」


走って帰っていることを確認し、向き直る。


「お久しぶりだね。大賢者」


「無能がどうしてここにいるのかな?それとも寝返った?無謀も無謀。僕に勝てないのにさ。」


「おいおい。僕に勝ったことが一回でもあったかい?ここに骨を埋めてあげるよ。」


「減らず口を」


「さぁ、始めよう。『結界魔法』」


巨大な紫色の立方体が僕らを囲む。魔王城は巻き込まないようにする。


「この結界は内側からのあらゆる事象を無効化する。つまり、どちらかが死ぬまで終わらない。楽しもう。」


「どうせ勝つ。」


アイリスに手を出そうとしたんだ。殺してあげないとね。




「『魔神の大鎌』」


さぁ、スタートだ。


結界の底に強く蹴り、距離を詰める。


当たる。そう思い、大きく振り回す。


しかし、


カツンッカツンッ


杖を2回つく。すると、元いた場所から離れている。瞬間移動か。しかも、見えているな。


「ずるいよね。君の能力はさ。」


「何のことやら。僕の生まれつきの能力なんだ。不公平と思うなら君も本気を出しなよ。」


言うねぇ。


ここで少し大賢者の説明をしよう。


彼の特出すべき点は二つある。


ひとつ目は、魔力がほぼ無限ということ。いくら使っても減らない。そして、瞬時に魔法が出せる。これでもチート級なのだが、


もっとも恐ろしいというより、面白いところは未来を見ることが可能という点だ。

一帯を見ることは辛いらしいのだが、『僕』という存在一つを見ることは疲れにくいそうだ。


だから、僕の動きは逐一わかる。だから、奇襲が意味を成さない。だけどね、僕には勝てないよ。


僕も本気でやろうかな。


元の姿に戻り、鎌を直す。


そして、羽を持ち魔力を込める。


すると、赤色の宝石が剣身となり黒い羽の部分が柄となる。


少しだけ、遊ぶとしよう。


切り刻んであげよう。


近づけ。そして、ぶった斬れ。


距離を詰め、切りかかると大賢者は不敵な笑みを浮かべる。そして、足元に魔法陣が現れる。


「もしかして、まずいパターン?」


「死ね!」


魔法陣から植物のような蔓が飛び出し、腹を突き破る。しかし、僕は血が通ってないので血飛沫は出ない。


そして、蔓は急激にでかくなり体の内側から破壊してくる。あは。やっちゃった。体はバラバラになり、結界の底を目掛けて落ちていく。


「残念だったな。これで終わりだよ。『轟獄炎火球』」


体が蒸発していくような感覚。あったかいな。


「やはり無能は無能だな。生まれ変わっても無能だろう。バカは死んでも治らないらしいからな。」


愚痴を言いながら、おかしなことに気付いてくれたかな?


結界がなくならない。つ、ま、り、


「いやー。死ぬわけないじゃーん。だって僕魔神王だよ?あと、豆知識。死んだら人は素直になるらしいぞ。無能賢者さん。」


拳を前に突き出し力強く握る。


すると、賢者が血反吐を吐き地面に膝をつく。


「まだまだ勝負は始まったばかりだよ?」


不敵な笑みを浮かべ、見下ろす。





この僕を舐めるなよ。






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魔神王の僕は国と勇者パーティから追放されたので魔王城に帰って楽しく暮らしますー帰り途中で見つけた美少女エルフと一緒にー 笹篠巴 @daiagunesu

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