第26話

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「つまりだ。何というか、この薄暗い暗闇のなかでもオメェの表情がありありと分かるんだよな。…そっから意味とれるのは、まぁそうだな。

 この事実がまずは受け止められないという事、

 次にどうして俺が二人いるのか。まぁそれに関しちゃこっちも、同じ驚きなんだが、だがどうもその驚きもオメェの方が本当は俺を驚かせたかったという意思がありありと浮かんでいやがる。それについては俺の答えは明瞭で簡単。オメェ自身が二人いる事実は、オメェが掛けた魔術だろう。

 そしてここに連れ込んだのはお前が仕組んだ罠ってやつだ。そしてそこにとことこと何知らぬ顔で突っ込んで来た馬鹿を仕留めるってぇのがオメェが描いたシナリオ何だろうが、そいつはまるで映画のようなハッピーエンドに終わらず、どっちかつーとバッドエンドになりそうになっている」


 ひゃっほう!!


 比嘉鉄夫が叫ぶ。


「親切にテメェに答えを教えてやる」 


 言うや比嘉鉄夫はスマホを手にして叫ぶように言う。

「砕けな!!魔模造品(マプリカ)!!」

 

 まぷりか?

 聞きなれぬ言葉。

 だが、

「いや、ゴーレム!!」


 えっ!!

 僕は振り返る。

 比嘉鉄夫の叫びに呼応するかのように、もう一人の串刺しされた比嘉鉄夫が砕ける様に消えて行った。


(なんだって、今…)


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