第一部 第十一章 どのように「イデア」、「原型」は「世界の魂」、「星の光」の助けによって隠された力をものの性質に吹き込むのか、隠された力に最も満ちているものは何か

 (アストラル ライトは「世界の魂」とも呼ばれる。)

 (「アストラル ライト」は「星の光」を意味する。)


 上の原型は全ての下の肉体の原型である、とプラトン主義者は話している。


 「イデア」は肉体、魂、精神より上の単一な純粋な清らかな不変な分割不可能な霊的な永遠な「原型」である、とプラトン主義者は定義している。


 「イデア」、「原型」は全て、肉体、魂、精神より上の単一な純粋な清らかな不変な分割不可能な霊的な永遠なものである、という同一の性質である。



 第一に、プラトン主義者は、「イデア」、「原型」を、原因として、神として、善そのものの中に突き止めた。


 諸々の「イデア」、「原型」は、ある相対的な考察によってのみ区別されるが、

諸々の「イデア」、「原型」は、少なくとも(天の神の)世界に存在するので、

諸々の「イデア」、「原型」は、(各々、)多数ではなく、単一であるべきである。


 少なくとも神は実体が単一に複合しているべきであるので、

諸々の「イデア」、「原型」は、本質的に、一致する。

 (例えば、真実、善、美が一致するように。)



 第二に、プラトン主義者は、「イデア」、「原型」を、「世界の魂」として、知性そのものの中に突き止めた。


 諸々の「イデア」、「原型」は、絶対的な形によって区別される。


 神の中では、全ての「イデア」、「原型」は、(各々、)単一の形しか持たない。


 「世界の魂」の中では、全ての「イデア」、「原型」は、(各々、)多数の形を持つ。


 肉体につながっている精神であれ、肉体につながっていない精神であれ、全ての他の者の精神の中に、諸々の「イデア」、「原型」は置かれている。


 諸々の「イデア」、「原型」は、(精神に、)ある程度、関与しているので、徐々に、ますます、特色を出して行く。



 (第三に、)プラトン主義者は、「イデア」、「原型」を自然の中に突き止めた。

 なぜなら、「イデア」、「原型」は、ある小さい、形のたねを(自然の中に)吹き込んでいる。



 (第四に、)プラトン主義者は、「イデア」、「原型」を物質の中に影として突き止めた。



 補足すると、「世界の魂」の中では、「イデア」、「原型」は、ものの多数の、たねの形として存在する。

 神の精神の中では、「イデア」、「原型」は「イデア」、「原型」として存在する。

 星々より上の天で神の精神が実行した形は、神の精神の形を形成して、神の精神の形を全ての星のある性質に刻み込んでいる。

 そのため、形と性質、下のしゅの全ての力と性質は、星にかかっている。

 このため、全てのしゅには、しゅ相応ふさわしい天の形が存在する。

 また、しゅは、作用する不思議な力を生じる。

 しゅは、「世界の魂」の中のたねの形を通じて、しゅの「イデア」、「原型」から、固有の力を授かる。

 なぜなら、「イデア」、「原型」は、全てのしゅの根源的な原因である、だけではなく、しゅに内在する全ての力の原因である。


 (実に、ものの力は「イデア」、「原型」からの作用であるが、)天の感化力が、ものの本質に存在する性質を動かす。

 言い換えると、

天の感化力には、唯一の確実な基礎が存在するし、

天の感化力は、必然であるし、

天の感化力は、有効であるし、強いし、十分であるし、

天の感化力は、無駄に実行しない、

と多数の哲学者は話している。

 天の感化力は実行において誤りが無いが、物質の不純物や不均衡が原因で誤りが生じる。

 このため、同じしゅの中でも、多かれ少なかれ、物質の純度や乱れに比例して、強弱が存在する。

 物質の不足や乱れは、全ての、天の感化力を妨げる。

 これが、「物質的な報いに応じて天の力は吹き込まれる」というプラトン主義者の言葉の由来である。


 ウェルギリウスも詩で、これについて言及している。


 「ものの性質は、火であるし、上からの物である。ものの性質は、粗雑な体から解放されると、神の力で動く」


 そのため、原型が無い物質が、原型に、より似ているほど、原型の作用に似て、作用において、より強い力が有る。


 このため、天の状態や形が下のしゅに内在する全ての素晴らしい力の原因である、と理解できるであろう。

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