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今日のような雨の日は、運転を注意するのか事故が少なくていい。事故がないと約二年間抱えていた未決をやっと捌かした私には途端にすることが無くなる。
不思議なものだ。少し前まではあんなに時間に追われていたのに、こんなにゆっくりできるなんて。日中もすることがなく、どうやって時間を潰そうか、仕事をしているフリをしてみたがどうだったか。もしかすると、上司はそんな手持ち無沙汰の私を見ていたのかもしれない。外周りに出ようともこんな雨の日は取締りもできなく、ただのドライブになってしまう。それでも赤色灯を回して警らをするだけでも事故抑止には一役買っていると思うのだけれども、未だに上層部のお偉方は「取締り神話」を信じ、そこで思考停止してしまっている。
そもそも私は今日、事故当番なのでやはり日中は交通事故でもない限り外には出られない。ましてや、5人いる課員の内、一人は年休で休んでいるし、課長代理は当直明けなので昼で帰ってしまった。窓口に若手がいるが、それも来訪者の対応や未決処理に追われ、このところ余裕が感じられない。課長は今日も交通畑の署長に呼ばれ署長室に入っていった。この光景も今やすっかりおなじみとなってしまった。
6月28日 @halcyonzero
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