体癖論を使ったキャラのつくり方②
「キャラから体癖を考える」
前回は体癖からキャラを考えるということでしたが、今回は逆で、ある程度決まっているキャラから体癖を考えることについて考えていきます。この場合は世界観や設定よりもキャラクター重視の小説づくりに向いていますから、群像劇とか、あるいは学園ものとかを作るのに適しているといえます。こうしたキャラ重視の小説の場合、大体書き始める前からどのようなキャラクターを出したいかの骨組みが設定と共に決まっているので、そこを体癖論で肉付けするのです。
「応用例」
今回はファンタジ―世界を冒険する小説を作ることにしましょう。まずは四人組と設定して、その旅が劇的になるようなキャラを作っていることにします。次の通り
・勇者:けんかっ早いけど勇敢で品行方正。計算はあまりできない。
・武闘家:心優しくストイック。常に自分を高めようとする。
・魔法使い:頭脳明晰で計算もできるが、運動は得意ではなく、また時折現実を見ない。
・遊び人:自由奔放で戦闘スキルはあまりないが、社交性はピカイチ。またいざという時頼りになる。
全体像を見れば、勇者が全体をまとめ上げるリーダーではあるが、時折行き過ぎる時は武闘家がそれを制する。また魔法使いは非常に計算ができるため、グループの行動を決める司令塔となる。遊び人はムービーメーカーで、場を和ませる潤滑油の働き。こんな感じになります。なかなかお互いがお互いの短所を補い合っていて、バランスが取れていますね。
さあ、でもこれだけだとちょっとキャラ造形が浅いですね。普通であればここからいろんな性格を細かく構築していくのでしょうけど、体癖論を使えば行動原理まで踏み込めるので、キャラの細部にまで修飾ができます。まずは体癖を決めて、そこから細かく作っていきます。
・勇者:けんかっ早いので捻れ型の七種。
→七種なので全身むらなくがっちりとした体形。常に自分の力を試す相手を探していて、どんなものに対してもぶつかっていく。好戦的で戦闘能力は凄まじいが、時折理性を欠いてとんでもないことをやらかす。行動原理は「一番になりたい欲求」。
・武闘家:自分を高める、つまり自分の弱点を無くそうとしているので五種
→五種なので筋骨隆々な逆三角形の体型。自分の弱さによって引きおこる危険に対しての不安が強く、常に自己鍛錬をかかさない。またその強さを実証するために冒険的ではあるが、それは常に行っている計算によって勝てるであろうと思われるものなので、行動には安定感がある。行動原理は「自分の弱さの克服」
・魔法使い:頭脳明晰で頭でっかちなので一種。
→一種なので首が長くまた背も高い。何事も理論立てて考えるため、行動計画などを優秀に構築できる。しかし一方で、理論にこだわるあまり時々現実離れした考えを提案するので、危険で不安定な行動もとる。行動原理は「現実と理論を統合する」
・遊び人:自由奔放で社交的なので三種。
→三種なので丸っこい体型で、良くものを食べる。とにかく自分の好きな物を追い求めて生きているので行動や知識にムラがある。ただ、その気まぐれさが時に巧妙な作戦になったり、危機を退けたりする。感情的で元気なので社交性が高く、値切り交渉などはお手の物。行動原理は「好きな物」
どうでしょうか。一つ体癖を決めるだけで、より人物に深みが増しましたね。簡単な小説などではこれだけでもいいのですが、実を言うと人間というのは一人でいくつかの体癖を持っていて、その複合体癖こそが最もリアルであるといえます。例えば八種+十種であればとことん面倒見が良いですし、九種+一種なら物凄い癖の塊みたいな学者キャラです。
この複合体癖についてはまた別の項目でお話ししますが、とりあえずここでは体癖を一つ決めるだけでも簡単にこれだけ(あるいはこれ以上)のキャラ造形ができるのだということを実感してください。
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