体癖論とキャラ創作

体癖論を使ったキャラのつくり方①


 以上、十個の体癖でした(あ、一通り体癖に目を通してからこのページに来ないとわかりにくいでしょうから、見てない人は見てきてください)。

 体癖論はもともと創始者が整体師なので体格とか見た目、または内臓も重要になってきますが、今回はあくまでキャラを作る補助として使うので、あまりそこらへんはとらわれ過ぎず、柔軟に使用してください。


 

 「体癖論を用いる利点」

 なぜ創作に体癖論を用いるかということですが、これはひとえに、人間のキャラクターを体癖論が非常に端的に整理しているからです。いろんな性格分類があると思いますが、たいていは大衆迎合のためにざっくばらんとし過ぎており創作に使っても面白みがないか、はたまた心理学や心理療法などに用いられるものは複雑すぎます。

 その点体癖論は十種類という非常にちょうどいい分類の数で、しかもなぜそんな性格、感受性になるのかという理由が体の姿勢なんかに紐づけられていて、納得理解もしやすい。私たち創作者が「扱いやすい」というのもとても大きな魅力です。

 もう一つ体癖論の利点がありまして、それはキャラの特徴がわかるばかりか、そのさらに根本にある「行動原理」も丸見えになるところです。ただ「腕っぷしが強いキャラ」とだけするよりも、そのキャラが何種であるかを制定することで、それが五種であれば「自分の弱さを克服したいために強くなった」となりますし、七種であれば「本能的に争いを繰り返した」といえます。また三種なら「筋トレが大好きだから」、六種なら「ありもしない世界滅亡に備えて」とか、根本まで見通せられれば様々な想像が芋づる式に膨らむのです。



 「体癖からキャラを考える」

 この方法は、私などのように世界観を重視する作者さんにお勧めです。多くの人は世界観や設定と同じくらい、もしくはそれ以上に人物が重要でしょうが、私にとっては設定の方が重要だったりします。そうなると設定ばかり浮かんできてキャラをどうしようという壁にぶつかるので、そういう時に体癖は指標の一つになります。

 まずはその設定にどんな体癖のキャラがいればより設定が色鮮やかに映るのかということを考えていきます。例えば「主人公が作り出した妄想の世界で繰り広げられる物語」とかいう設定であれば、その主人公は体を動かすよりも頭を使うのが得意でなければなりませんね。そうすると三種とか五種とかではなく、上下型一種二種、あるいは九種などが適任です。また特に一種や九種であれば妄想の世界がキテレツで自己中心的な異世界かもしれませんが、二種の場合は妄想世界が現実を軸にしており、その世界で起きることもさほど現実離れはしていないことでしょう。


 また、アクションを軸にしたハードな小説を作りたい場合――『北斗の拳』の修羅の国みたいに、その空間自体が争いに染まった場所を舞台にしたいとか言うのであれば、絶対に捻れ型の七種八種か、体格がしっかりした五種を軸にキャラを考えていきましょう。そしてこういう集団では恐らくほかの体癖は無視してしまうかもしれませんが、全く出さないのはもったいないです。七種八種だらけの国なんか殺伐としていて心の癒しが枯渇しているでしょうから、母性的な十種とか、柔軟で社交的な三種をいれてやったりすることで、物語に一層厚みがもたらされます。


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