夢であえたら

ゆう

第1話

 亡くなった友人の夢をみた。

夢の中でわたしは彼女と口喧嘩をしていた。


いつものわたしが一方的に文句を言う口喧嘩。


「旦那さんに伝言?しないよ。

自分で言いなさい。」


「だって、わたしが言ったら泣いちゃう。

代わりに伝えて。」


「泣いたらいいじゃん。何がダメなの?

あなたが夢に出ようが出まいが、

泣くときは泣くよ。

だいたい、あの旦那さん情緒ないじゃん。

わたしからの伝言とか絶対無駄。」


「でも、まだ早いと思うの。」


「あのね、わたしがあなたの夢を見るのは5回目。

夢の内容がしょうもないときでも、

わたしは目が覚めたらいつも泣くよ。

毎回泣くけど、いつも会えて嬉しいから

全然いいって思ってる。

泣いたとしても、いつも嬉しいよ。

夢で会えるの、本当に喜んでる。

旦那さんも同じでしょ。」


「そうかな?」


「そうだよ。だいたい、旦那さん泣かせちゃ

ダメなの?それ初耳だけど。

わたしは、あなたの旦那さん

何回泣かせたか数えてないから、覚えてないよ。

旦那さんへの初めての連絡、

四十九日のお花の手配の相談ね。

それでいろいろ話してたら、

あんまり頭おかしいこと言うから

怒って何回か泣かせちゃった。」


「全然いいよ(*^^*)」


「この前、あっちゃんの夢にでてきた話聞いたよ。

待ち合わせして、来なかったんだって?

あっちゃん残念がってたよ。

それなら、あっちゃんも泣かしたら

ダメと思ったの?」


「早いかなって。」


「ん?待って。わたしの夢に出てくるの5回目。

わたし、起きるたびに泣いてるよ。

え?わたしは泣かせてもいいの?」


「え?」


「旦那さんとあっちゃんは泣かせてダメなのに、

何でわたしは泣かせてOKなの?え?何それ。

納得いかない。夢に出てきてくれるのはめちゃくちゃ嬉しいけど、それとこれとは話別だよ。

ちょっと、お話し合いが必要ですね。

ちゃんと説明して。」


「、、またね。」




ここで、目が覚めた。


やっぱりわたしは、こんな内容の夢なのに、

ぼろぼろ泣きながら目が覚めた。


「ずるいな」とつぶやきながら、とまらない涙のまま、久しぶりに会えたことが嬉しくてクスクス笑った。


夢の内容はいつもはっきり覚えているのに、

聞いたはずの旦那さんへの伝言の内容だけは

さっぱり思い出せなかったので

「言わなくていいんだな」と納得した。


早く旦那さんの夢にも出てきてあげて。

友達夫婦は、本当に仲良しで

わたしの憧れのおしどり夫婦。


二人がまた夢で会えますように。

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夢であえたら ゆう @chappo

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