第8話 怒りの精霊

  七実は思わずワフアに聞き返した。

「怒りの精霊って?めちゃくちゃ恐いの?!」


ワフアは焦る七実に優しく答えた。

「大丈夫。ちっとも恐くないよ。むしろアンジーはとっても優しいよ。

七実、生き物って色々な感情があるよね。

怒ったり、喜んだり、大切な人を思って親切にしたくなったり。

怒りって何となくネガティブなイメージがあるかも知れないけど、怒りってあらゆる感情の中で最も強いエネルギーを秘めた感情でもあるでしょ。

怒りをエネルギーとして燃やす事によって、いくらでも前に進むことができる。

怒りは決して良くない感情ではないって言う事を七実には憶えていて欲しいの。」


七実は正直、ワフアの言ってる事が何となく分かったような、いまいち理解出来ないような微妙な感じだった。

彼女の人生で、17年間生きて来て、まだそこまで怒りの感情を覚えるような出来事が起こった事がないのだ。


けど、とりあえず怒りの精霊は恐くはないんだなと言う事は分かった。


「ワフア、分かったよ。じゃあ〜その怒りの精霊、アンジーだっけ?とりあえず会いに行ってみよう!」


ワフアは七実に優しく微笑んで


「こっちだよ。」とより一層深い森の中へと案内した。


二人は怒りの精霊アンジーの住処へと歩き始めた。

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