第7話 失われる命
七実は溜息をついて悲し気な顔をしているワフアに言った。
「ワフアの他にも精霊がいるんだね!私、会ってみたいな。その精霊達に会えれば凍った湖を溶かす方法が見つかるかもよ!」
七実は、自分の父親の死がこの世界に何らかの影響を与えてるに違いないと思った。
そして精霊たちにも何らかの影響があって命の実が育まないんだと直感で感じたのだ。
「それで、その精霊たちはどこにいるの?」
七実が聞くと、ワフアは答えた。
「精霊たちは皆んなそれぞれの住処があって、そこにいるよ。ただ…その住処は精霊たちが身を守る為になかなか入り込めないようなになっているんだよね。」
「そっかぁ…。」
七実は少しめげそうになってワフアから目線をそらした。
ふと、見つめた先をよく見つめてみると思わずハッとした。
なんと、七実がさっき歩いて来たはずの森が灰色に霞んで歪んだ景色に変わったのだ。
そして、木が突然枯れたようになり青々としていた葉っぱがあっと言う間に地面に落ちてしまった。
「ワフア!木が突然枯れちゃったよ!」
七実は思わず叫んだ。
ワフアは今にも泣きそうな悲しい顔をしていた。
「最近はこんな感じで、森の色んな所が灰色になって命が失われて行ってしまってるの。私がもっとしっかりしていれば…。全部私の責任だよ。」
七実はワフアの悲しそうな顔を見て何とかしてこの世界の命を守らなければと思った。
「行こう!ワフア。精霊たちを集めて、この状況を何とかしよう。きっと大丈夫!だから、自分のこと責めないで。」
七実の心の中には、この世界を救いたい。
そして、父親が残した手紙を見たいと言う強い思いが芽生えていた。
その思いは彼女の全身に血を巡らせ、七実自身も力が湧いて来るのを感じていた。
ワフアは七実を見つめて、少し安心したような表情になった。
「ありがとう。七実。とっても嬉しいよ。」
「じゃあ早速行っちゃおう。最初はどの精霊の所に行く?ワフア案内してくれる?」
七実は少しワクワクしていた。
「それでは、最初は怒りの精霊アンジーの所へ行こう。」
「怒りの精霊?!」
七実は思わず聞き返した。
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