第九週「咀嚼」(結)
どう? お腹すいたかしら?
何かあげられたらいいんだけど、ここは飲食禁止なの。
この話をしてくれた女性、それから怖くなって引っ越ししたそうよ。
あれが悪夢だったとしても怖くなったんでしょうね。無理もないわ。
貴方は悪い夢は見る方?
一般的に眠りが浅ければ浅いほど、人は夢を見るそうよ。良い夢も悪い夢も。
実は夏に怖い話が流行るのもこれが原因らしいわ。
寝苦しい夜と、その中で見る夢のせいであるはずのないものを見てしまうの。
でも秋は「睡眠の秋」とも言われててね。
夏とは違って過ごしやすいだろうから、ぐっすり眠れるはずよ。
悪い夢は見なくて済むかもね。
そうそう。
この話をしてくれた女性なんだけど、ずっと指をしゃぶっていたのよね。
自分の指を……血が滲むまで、ずっと。
それじゃあまた会いましょう。良い夢を。
虚実7:3 OKG @okeji
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。虚実7:3の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます