第2話 悪魔の誘惑にご注意を…

 この世で知られる悪魔を貴方は何体ご存知だろうか?

 ルシファー、サタン、アザゼル、ロキ、ベルゼブブ、インキュパス、ウロボロス、ベルフェゴール……その名を挙げれば枚挙にいとまがない。


 現在、この世界で悪魔と出逢おうとするなら、悪魔召喚術などを用る事で呼び出す他ない。

 呼び出し方は様々だが、よく知られるのは「黒魔術を使った召喚」だ。しかし、それで呼び出すことのできる悪魔は主に中級と呼ばれる悪魔で、それより弱い低級の悪魔では容易に呼び出すことができたとしても、術者の願いを叶えられないことが多いという。

「契約を結び、契約の報酬を担う」には、それなりに力のある悪魔を呼び出し、それにみあった代償を支払うことで叶えてもらうことができる。


 しかし、昨今ではそんな中級の悪魔を呼び出せる術者も少なくなり、この世界に呼ばれる悪魔の数も数える程度しかいないのが現状だ。


 上位の悪魔ともなれば、更にその機会は少なく。もう何十年、何百年も人間の魂をすすれずにいる悪魔も多く存在している。


 そんな状況に郷をにやし、人間の見た目に姿を変えて潜伏し、私欲を満たしている上位悪魔たちも実は少なくない。何気ない日常を過ごしている貴方の近くにも、実は暇を持て余した悪魔が人間になりすまして存在してる可能性は少なくないかもしれない。


 ひとえに悪魔といっても、趣味趣向は様々なのだ。好きな魂の味も違っている。容姿の美しさを好む悪魔もいれば、魂の美しさを好む悪魔もいる。だから、「自分は悪魔に狙われたりしない。」そう思っていたとしても、そんなことはない。退屈を極めた悪魔たちの魔の手は、すでにすぐそこまで迫っているかもしれない。貴方様も十分お気をつけなさりますよう。老婆心ながらご忠告を致します。

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悪魔たちの秘密遊戯 むーみん @yamifukakiari

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