盗まれる技術

バブみ道日丿宮組

お題:腐った模倣犯 制限時間:15分

盗まれる技術

 流行ったものをやればきっと儲かるだろうと、大嫌いな友だちはいってた。そして僕の作ったゲームのデータを盗みアプリを立ち上げた。

 もちろん、成功した。

 だが、僕の名前はそのアプリに一切ない。

 製作者は全てその友だち。功績は僕にあるはずだが、賞を取ったのは友だちだった。

 正直者がバカを見るというのはまさにこのことだろう。

 僕が作ったものを見せなければ、友だちは行動にも移しも、色んな場所で働くことになることにもならなかっただろう。

 僕は我慢できずに自分で新しくアプリを作り、表に出した。

 しかし、評判は最悪だった。

 

 友だちが作った模倣品とユーザーはレビューを書き綴った。


 すごく当たり前のことだと思う。

 友だちの出したものは僕のもので、僕が出したのも僕のものだ。

 模倣品どころか、模倣犯のようなものだ。

 これで腐らせるのもいい味を出さないので、僕は手段を変えることにした。独自プロトコルも、システムもある。

 同じ土台で友だちを倒すのではなく、別の場所で手の届かないところへいけばいいと判断した。

 そこで僕は勉学に特化したアプリを制作した。

 問題集は全て暗記してあるものから、創作したもの含めて20万。

 作ること自体は簡単だった。

 パソコンで勝手に作らせればいいだけ、それをまとめて小学生レベル、中学生レベル、高校生レベル、大学生レベルと振り分ければ簡単だ。

 完成したアプリはすぐ好評になった。

 が、逆に教育機関に文句を言われるようになった。

 便利すぎるために自分たちの教材が全く売れなくなったと。

 それに対し、僕は一言。

「使えないものと判断されたからではないのでしょうか。使えるものは使える。使えないものは使えない。それがこの社会です。切り捨てられるのがこの国の残念なところです」

 これで大分炎上したが、アプリはより一層人気がでた。

 大学の教授や、専門学校の講師との繋がりもつき、さらに資格問題なども対応できるようになった。

 この頃には大嫌いな友だちが文句を言ってきたが無視した。

『なんでこっちのほうを見せてくれなかったんだ?』

 笑うしかなかった。

 自分で作れないやつが、他人のを盗むことしかできないやつが上にたつのはおかしいんだ。

 きちんとやってる人が評価をされるべきなんだ。


 そして最終的に、教育機関とも繋がりを持つことになり、小学校や、中学校で使われる教材にまで進化した。

 これで僕は復讐を完全に遂げる形となる。

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