そこはダメです勇者様

カマリナ

第1話

ある日突然魔王が村を滅ぼしに来た。

「新勇者よ、我の元にくるがよい」

 魔王にとって勇者は脅威でしかない。


 世界を滅ぼされる前に殺そうと、魔王城から一番遠いコロンの村に来たのだ。

「おい、お前だろ勇者は」

「俺たちを助けてくれよ」


「待てよ皆、俺はさっき聖人の儀式を終わらせたばかりだぞ」

 勇者であるアンドラは数分前まで成人していない子供だったのだ。


「ほう、貴様が勇者か。思った以上に弱いなお主は」

 そうだ。アンドラは勇者なのにあまり強くない。

 おそらく森に出ればスライムにたおされてしまうほどに弱いのだ。


「あの、僕に何をする気ですか」

「決まっておるだろ。貴様を今から殺す。魔王軍が世界を侵略する上で絶対に必要なことなのだ」

 魔王が勇者に向かって飛びかかってくる。


 アンドラは恐怖のあまり亀のように頭を抱えた。

「情けない勇者め、切り刻んでやろう」

 魔王がアンドラへの距離を積めたとき、木の根っこに足を詰まづかせた。

 

「え、嘘でしょ」

「おい、マジかよ」

 魔王の剣はアンドラの頭上を通りそのまま2人は倒れた。


「イテテテテ(もにゅ)なんだこれ」

 フードをかけた魔王の正体は褐色で小柄な少女だった。

「は、はぁん」


 魔王の少女はイヤらしい吐息を吐いた。

 アンドラの手は両手とも魔王の胸を揉んでいたのだ。

「うわ、ごめんなさい。って女の子」


 魔王のフードが脱げて金髪ツインテールの可愛い少女の顔が目に見える。

「きさまよくもわらわを、嫁入り前の体を汚してくれたな」

「いや、そんなつもりは」

 

 少女はローブを脱ぎ真っ黒なドレスでアンドラに飛びかかる。

「問答無用」

 再び剣を向けてきた魔王の少女。

「ホントにマジで勘弁してくれ」

 剣を向けられ逃げるアンドラ。


「アンドラ。これで何とかしろ」

 そうして友人に投げられたものは木刀だった。

「おう、サンキュウって木刀でどうやって刀に勝つんだよ」


 それでも何とか立ち向かおうとアンドラは木刀で立ち向かう。

「バカな勇者め、木刀で何ができる」

 このままだと殺されるかもしれない。

 

 だけどアンドラは自分の精一杯で木刀を降った。

「甘いわ」

 交わされた。

 この後は彼女の刀が自分の体を切りつけるのは簡単に予想がつく。


「負けてたまるか」

 根性で交わされた木刀を当てようと魔王に向かって横に回した。


 その木刀は何故か服を切り刻み、下着姿になった魔王の腹下に直撃する。

「な、何で服が、は、うぅ」

 とっさに恥ずかしくなって隠すように縮こまる魔王の少女。


 そして少女の下着(パンツ)が濡れて地面が彼女を中心に水溜まりが出来る。

 あまりにも恥ずかしい事ばかりが起こった少女は鳴き始めた。


「う、うわぁん。何でなのよ」

「魔王様しっかりしてください」

「一時撤収しましょう」

「おのれ勇者よ。魔王さまの調子が戻ったら今度こそお前を頃しに来るからな」


 魔王の少女は家来に連れられて帰っていった。

「よっしゃあ、魔王を帰らせたぞ」

「ざまあみろ。この村は勇者あっての村だからな」

「あんな小娘魔王は家に帰ってママのミルクでも飲んでろ」


 村の人たちが喜んでいる中、アンドラはため息を吐いた。

「またやってしまったか」

 魔王を撃退したのはいいことかもしれないが、やったやり方はあまりにも最悪だった。

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