子供だからこその残酷さ、それが際立つ描写。考えさせられる児童小説のよう

 私はまず、そのタイトルと紹介文に惹かれこの作品を読み始めた。文章量は少なく、今のところ5分もあれば読み終えてしまうほどの長さだが、その内容はとても興味深い。
 主人公は小学一年生ながら、言いたいことが言えない、素の自分のまま周りに馴染むことができないという悩みを抱えている少し大人びた少女(?)である。その主人公と等身大の小学一年生たち、つまり自分の思ったことをそのまま口にするような、そういったある種残酷な同級生たちとの物語がこの作品の中心にそえられていくのではないかと私は考える。その両者の摩擦から、「しゃべる」ことを禁止にしてしまった主人公がこの先周りとどう関わっていくか、周りは彼女にどう接していくのか、それが非常に気になる作品となっている。

 こちらの作品、児童小説の中にある、子供にも大人にも読者にそれぞれ何かを考えさせるような、そういったテイストの作品にとても手法が似ていると感じました。このような作品は簡易な文章で、考えに幅を持たせるような濃い話を描写していかなければならず、誰でも簡単に書くことができるような作品ではないと思いますので、そこが上手くできているところがこの作品の素晴らしいところだと考えます。今回のレビューでは今後の物語の展開に期待をこめて、☆2とさせていただきました。これからの作者様の活動も非常に楽しみにしております。

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