第5話 女三人セット麻雀
今日は夕方から、私となっちゃんとユーちゃんの三人で三人セット麻雀をとある個人経営の雀荘で打つ約束をしている。待ち合わせの駅前に集合時間十五分前に来ている私。あー楽しみだな☆ 私は三人麻雀はネットでしか打ったことがない。だから、どのようなルールでやるのか楽しみなのだ。
「あれ? もう来ていたの?」
「あ、なっちゃんだ☆ 仕事は終わったの?」
「うん」
なっちゃんはタバコを吸い始める。あー、タバコを吸うなっちゃんもカッコいい。えーとえーと? あとはユーちゃんかな。そして、待ち合わせ時間になってユーちゃんもやって来る。
「さて、その個人経営の三人麻雀雀荘に案内するね」
なっちゃんがそう言って、私たち三人は話しながら歩く。
「レイナとユーちゃんでは、どっちが強いの?」
「えーと? 私も負けていないけど?」
「レイナ? たぶん私の方が強いけど?」
ユーちゃんがそう言って、私たち三人はアハハと笑い声を上げる。あー楽しみだな。歩くこと十分、なっちゃんの案内でその三人打ち雀荘に到着する。中に私たちが入る。
「すみません? セット麻雀を予約した者です」
なっちゃんがそう言って、店長と思われる男性が出てきた。私たちは全自動雀卓の席にそれぞれ座る。店長は短めに私たちに説明をして、女三人セット麻雀が始まった。
「なっちゃん、ユーちゃん? 私、負けないからね」
「よし、レイナを狙うかな」
「え、それじゃ、私もレイナを狙う」
「え! それは待って!?」
私たちはアハハと笑い声を上げる。さて、北ドラを抜く、って店長が説明していたなあ。私は北ドラを一枚抜く。うーん、それでもパイが冷えている。テンパイまで遠いなあ?
「あ、私、リーチ」
なっちゃんが先にリーチをかける。えーと、仕方ない。降りるかな?
「やっぱり三人麻雀って速いね。ツモ☆」
えー! もう上がるの? チップは賭けていないとはいえ、ちょっと悔しいけどね。
その時に、一人の男性客らしきが店内に。うわ、チンピラみたいな見た目。えーと? 私たちには関係ないよね。すると。
「店長? オレも打ちたいけど?」
「え? 今はセットのお客さん一組だけだねえ? 聞いてごらん?」
え? 店長は今なんて言ったの? せっかく女三人麻雀を打っているのに?
「ひゅー☆ お姉さん三人、美人さんだねえ☆ オレと打たない?」
うげ、最悪なヤツだ、こいつ。えーと? なっちゃん、どうするの!?
「あー、それじゃ、私と店長とお兄さんの三人で打たない?」
なっちゃんがそう言って、チンピラはこう言った。
「へへ、あとのお姉さん二人はどうするの?」
チンピラの言葉にユーちゃんは無言。私は愛想笑いをしている。
「それじゃ、打とうか? なーに、手荒なことはしないけどね☆」
チンピラがそう言って気持ち悪い笑みを浮かべる。なっちゃん、店長、チンピラ、チップを賭ける三人打ちの東風戦が始まった。
続く
レイナの雀荘めぐり☆素人麻雀伝説 野口マッハ剛(ごう) @nogutigo
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