第15話

「なんだと?」



「きっと、君は金目当てで姫を連れ出したんだろう?わたくしは金には興味がない。興味があるのは――」



最後まで言わず、コホンッと咳払いをしてローズを見た。



その視線に、ローズは自然と後ずさりする。



「誰が金目当てだと?」



完全に図星だったが、アリムは怒りをあらわにして対峙した。



ここで引き下がってローズを手渡すなんて、そんなの男じゃない。



せめて、最後までやり遂げなければ『好き』という気持ちまで嘘になってしまいそうだった。



「男同士、素手で勝負と行きますか」



ザイアックはニヤリと笑い、腰の剣を抜いて投げ捨てた。

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