不透明な線

音澤 煙管

線は、決して交わらなかった……



生まれつきなこの性格、

親も真っ直ぐに生きてきた。


その子供だから諦めて居る、

でも有難くも思って居る。


二度も無いこの世に生まれ、

同じ人は他には居ないから。


生きる中での自問自答、

悩めば深みに嵌る性格。


手を差し伸べても誰も居ない、

この道真っ直ぐ進むと決めた。


とある日に出逢いもありました、

まるでわたしの分身異性、

同じ形の三角定規の様に。


重ねた愛も真っ直ぐに、

跡に残った真っ直ぐな線。


隙間無くピッタリと、

いつも寄り添う二人だった。


だけど時は過ぎ、

目線や価値観時間のズレで、

描く線も不平でバラバラに。


やがて寄り添う事もなく、

離れて線引き終わった頃。


ぼくとあなたのクリアな心も、

傷だらけの不透明に。


お互い寄り添い過ぎたのか、

それとも、

元のケースが恋しくなったか?

もう触れる事もないお互いを、

見つめ合うだけで線引き描けず。


また一人、

少しずつ線を引く日々送る。


このご時世は、

真っ直ぐ描く人は皆無。


あれは夢と言い聞かせ今日も、

机引き出しの中、

ずっとずっと待ちわびて……



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

不透明な線 音澤 煙管 @vrymtl

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ