第23話 恋とは・・・・・・

「真衣・・・・・・これはだな・・・・・・」

「そうだよねぇ〜私たちと遊ぶより、と遊んだ方が楽しいもんねぇ〜」

「そんなこと言ってないだろ?」


 真衣が嫌味のような声で言ってくるので、それについ、反応してしまう。


「本当は、あの子と遊ぶために、この海に遊びにきたんじゃない?」

「違うって、そんなんじゃ・・・・・・」

「でも、楽しそうだったよね・・・・・・私たちといる時よりも・・・・・・」

「そんなこと言ってないだろっ!!」


 つい声を荒げて言ってしまった。しかし、本当に西条とはたまたま会っただけなのだ。


「あはっ、逆ギレ?」

「なんなんだよ・・・さっきから」

「じゃあ一つ聞いても良い?」

「なんだよ」


 真衣はふぅっ、と一息ついて、真剣に俺を見てくる。その眼差しは目を逸らす事を許さないと言っているようなものだった。


「あの子のこと好きなの?」

「えっ?」

「もし好きなんだったら、辞めといた方がいいよ?だって優とは住む世界が違うよ」

「それってどういう・・・・・・」

「あの子はアイドルで優は一般人釣り合わないよ」


 "釣り合わないよ"この言葉を聞いた瞬間、胸が痛んだ。

 ズキッという、痛みだった。


「そんなのお前に分かるわけないだろ、勝手に決めつけるなよ・・・・・・」


 そう言って真衣の方を向こうとした時、右頬にビンタをくらい鋭い痛みが襲う。

 そして、次第にジンジンと後から痛みが出てくる。


「おい、なにすんだ・・・・・・よ」


 泣いていた、真衣の目には涙が溜まっていた。


「いい加減気付いてよ・・・・・・私の気持ち」

「えっ・・・・・それって・・・」


 真衣は走って、みんなの場所に戻っていった。俺は突然すぎて力が抜けて、その場に座り込んだ。



 そのあと戻っても真衣はいつも通りだったので、俺だけが、意識してしまってるのかと思った。


⭐︎⭐︎⭐︎


「店長、恋ってなんなんですか?」

「マスター聞いてください、みたいなノリやめろ」

「お願いします、店長しかいないんですよ」


 しょうがねぇなと言い、コーヒを作りながら相談に乗ってくれる。


「恋ってなんですかぁ・・・・・・」

「そうだな、その人が隣に居はことが当たり前になってて、その人が居なくても、その人のことを考えてしまうとか?」


「釣り合う、釣り合わないで恋人って決まるんですかぁ?」


「そんなわけねぇだろっ!好きになった瞬間に、恋のにやっと立ったんだよ」


「店長っ・・・・・・・・・そんなくさいことよく言えますね、恥ずかしくないんですか?」


 もう絶対、相談に乗らねえと言われて店長を怒らせてしまったと思ったら、店長は


「頑張れよ・・・・・・」


 と言い、コーヒーと牛乳を混ぜたカフェオレを出してくれた。


 本当にここのバイトで良かったと心底思う。



 そして・・・・・・夏休みは当然のように過ぎ、二学期に入る。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

フラれたアイドルを慰めたら、なぜか仲良くなってました 楠木のある @kusunki_oo

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ