統合失調症患者が観る君の名は。または秒速5センチメートルの感想

 2022年10月28日(金)。23時33分。あぶねえ。ブログの連続投稿記録が2022/10/28で途切れるところだった。君の名は。が金曜ロードショーであっていて、ちょろっと見たらいつの間にか23時34分。時間が経つのが早すぎて、すなわちそれは神作品ということで、新海誠監督の集大成だったかのように思います。君の名は。は観たことがあってストーリーも知っていたはずなのに。映画を観るというよりかは、映画を目で吸収するというような感覚だった。何も注意することなく、退屈だと感じることなく、テレビの前から動くことができなかった。秒速5センチメートルの草原の雰囲気や、夜空の描き方をまだ生かし切っていた時代の新海誠監督の作品だったと思う。面白いというより時間がいつの間にか経っていた。二回言ったがそのレベルでの映画だった。


 公開が2016年ではなく、2022年だったら300億くらいいったのではないのかと思うほど、面白かった。新海誠監督の作品では、都会をとにかく事細かに描き、美しく作品に昇華する。都会に行きたいと憧れを持ったのも秒速5センチメートルを観てからだなあ、となんとなく思い出した。中学生のときにたまたま秒速5センチメートル、コスモナウトをBS1で観た時に、一緒に未来も観たようなそんな気がした。未来にここまで美しい映像を観ることのできる時代が来るのならば、その時まで生きてみようと思ってしまったし、当時は熊本では誰も知ることのなかった映像を観てしまったために、この世の広さを思い知った。本当に美しいものを追い求める人はいるのだと感動したし、恐らくその頃の新海誠監督はお金よりも、違う何かを追い求めていたかのようなそんな気がした。


 本物。


 追究。


 その果てにいる人がいて、安心したようなそんな気がした。


 君の名は。も売るために描いたのではなく、実績を積み重ね描いたら売れたのだという事実に、純粋な心は期待する。良いものを描いたら、勝手にお金が付いてきた。そういう、本来ならば当たり前の真実を、子供のように信じたい自分にとって、君の名は。の当時興行収入が伸びていったことに対しては、「これが当たり前だ」と思っていたし、当時は甘かったこともあり、社会を知らなかったただの美しさを追究していた大学生に過ぎなかっただけだったので、ビジネスとか、そういう考え方は全く無かった。


 今とは真逆の考え方。


 それを思い出して、少し悲しくはなった。


 自分は甘くない大人になってしまった。


 まだまだ甘い大人なのかもしれなったが、お金のために何かをする。お金のために仕事をする。お金で高いポケモンカードを買う。それを見せつける。そんな大人になってしまった。


 要はロマンチストな大学生を過ごしていたのだが、結局統合失調症になり、あの現象は一体何だったのか。映画の中ならば主人公ではないかと皮肉にも悲しくなるが、統合失調症の初期状態の実体験をできたことは幸運だったのかもしれない。


 何も楽しくない人生がいきなり一変したのだから。


 テレビから暗号が発せられるように感じ、新聞にも暗号。「あなたは王になる」と踊らされて、ありもしない就職先、自分の中にだけある真実を追い求め、警察に囲まれてしまい、GAME OVER. 閉鎖病棟の牢屋で3ヶ月を過ごす。


 真実を知っている。真実を知ってしまった。そんな感じ。2022年10月28日の中で更新するにはあと5分しかない。いや。書きたいことはたくさんあったけれど、君の名は。と新海誠監督作品の感想で終わってしまった。時間に追われて書きたいことが書けないという体験は初めてだ。しかし、午前零時が近いのに全く眠くならない。統合失調症前に戻りそうなのかな。分からない。ただ、自由が復活してきており、それに経済力まで付いてきてしまったので、さあ大変だ。理想の自分へ、少しずつ成長出来たらそれで満足だ。

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