魔石の検証
体調の悪さもすっかり治ったので、兎を捌き、外で魔石の実験をしている。
持っている魔石を並べる。
ゴブリン大の魔石ー緑の小さな石x多数
魔法ゴブリンの魔石ー小さな赤い石x1
ボスコボルトの魔石ー黄色の石x1
オークの魔石ー白の半透明石x6
大猪の魔石ー大きめの茶赤色の石x1
風の杖の魔石ー大きめの緑の石x1
水の魔石ー大きめの水色の石x1
それからボスコボルトの三等分に割れた魔石もある。パワーを使いすぎたのか、魔法ゴブリンを倒した時に割れたやつだ。
風の杖を振る。いつも通りの風の刃が出て木を切りつける。
ベニは、私だったら魔道具無しでも攻撃魔法が出来るって言ったけど…エアーコンプレッサーをイメージして杖を振る。
出てきたのは風の刃。
あれ? 水や光の魔石に時は確か…直接触らないといけないのか。風の魔石を触って、もう一度イメージする。
シュウウウウウウウウ
おお。出た出た。風が凄い勢いで魔石から出てきて、地面の落ち葉が舞う。まるでリーフブロアーだね。これでお庭のお掃除も楽ちん! じゃなくて…直接触らないといけないのか…風や水の魔石なら問題なけど…光の魔石、熱いんだよね。
ゴブリン大の魔石一個でリーフブロアー活動は数分くらい出来た。
ふむ。もしかして、空中に浮けるんじゃない? フライングカエデが出来るんじゃない?
風の魔石をセットして、エアーコンプレッサーをイメージして魔石を下に向ける。
「あいたたたた」
地面に落ちてた石が、風の勢いで飛んで来て脛に当たる。
(阿呆じゃな)
ベニ、お黙り。
うん、でも、そうだよね。
くだらない事はやめて検証に戻る。風の魔石では色々できた。石を使って空気銃のようにも打てたし、優しい風をドライヤーのようにも使えた。必要なエネルギーは、ゴブリン大だけど、それなら大量にあるのだ。
水の魔石も同様にイメージで、放水砲が出た。今回はしっかり握ってたから濡れる事はなかった。
「ウォーターボール」
一度やってみたかった。
水の玉が出て木に当たる。おお。アニメみたいだ。木は結構抉れたから、攻撃力もそれなりだ。
光の魔石は熱いので…今後もランタンとかに使おう。暖房的にも使えるかもしれないが、この魔石の大きさでは持続しないだろうし…また割れたら困る。
オークから出る白い半透明の魔石は、ユキたちに上げるのが主な使い道だけど….
「キャウウン」
「んー今はダメ。検証中だから」
結局オークの魔石で何が出来るかよく分からなかった。ベニも魔石について、全てを把握してる訳ではなく、『魔石を使っていないから全部は知らん』と言われた。
オークの魔石は、ユキたちに与える。
ボリボリボリ
ユキは、光っても変わらなかったが、うどんは一回り大きくなった。うどんももう小狐ではないな。
次に検証するのは、大猪の魔石。大きめの茶赤色のグラデーションで、宝石のメノウのような石だ。茶色といえば、土だけど…
(ほう。これは珍しいのう)
「そうなの?」
(赤い魔石は魔力の強い魔物じゃ。これは…丁度魔石が変わろうとしていたのじゃな)
そうなんだ。
魔石があるのは魔物だが、全ての魔物に魔石があるわけではない。ベニ曰く『雑魚に魔石は生えん』との事だった。魔物、特にゴブリンに対してのベニの風当たりがきつい。
ゴブリンは雑食らしく、幼い妖精は食われたりするらしい。まぁ、ベニタイプだったら…キノコにしか見えないしね。
猪の魔石に戻る。
土を出そうとしたが出ない。土を吸わせたら、グイグイ吸っていった。
吸う限界がきたのか? 反応がない。地面には大きな穴。あぁ…これ数ヶ月前、ゴブリン埋め埋めしてる時に欲しかった。
魔物の特性が関係してるのか? それにしては、ゴブリンは風でコボルトは光だ。関係性低そう。オークに至ってはおやつカテゴリーだ。
使い方や方法は水の魔石とほぼ同じだが、威力が水や風の魔石より強かった。魔石の高い魔力の所為か?
最後は、この赤い小さな魔石。小指の爪の大きさ程だ。よく見つけたな私。
知恵を絞って、色々試したが、赤い魔石では何も起きなかった。
これは、保留だね。
今日の検証を終了して、夕食を作り始める。森の日常料理、兎の丸焼きだ。
野菜もいるよね。カボチャ薄切りソテーをする為、カボチャを切る。
「痛!」
カボチャを切っていたら指を切ってしまう。傷は深くないけど、不思議水で治すか。他の魔石と一緒に、テーブルに置いておいた不思議水を取ろうと手を伸ばす。赤い魔石がポワッと光ったので、近くで見ようと魔石を手に取ると魔石はそのまま私の指の中に入っていった。
「ぎょええええええ」
(なんじゃい!?)
「べ、べ、べニ、どうしよう? 魔石が指の中に入っていったんだけど!?)
(…………指を切るか)
やめて。
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